マイク・フレイザー、ザ・カルト「Sonic Temple」を語る (キャリアを決定づけた10枚を語る (1/10))
「MusicRadar」の2011年8月の記事より。マイク・フレイザーはミキサー、エンジニア、プロデューサーとして、主にHR/HM系の色んなミュージシャンと関わってきている。その内から、これはって10枚のアルバムを選んだんだそうだ。初回はザ・カルト「Sonic Temple」(1989年)。エンジニアとミキサーを担当した。
→ Producer/Mix Engineer Mike Fraser: My 10 Career Defining Records
- イアン・アストベリーは驚異的なヴォーカルだ。どこかパンクと商業主義の中間にいる。ギターのビリー・ダフィーは商業主義そのものだね。二人の組合せは「文化の衝突」みたいなもんだけど、うまくやってる。音についていえば、バンドが目指してたのはオルタナティブ系で、なおかつラジオでもかけてもらえるようなビッグなロックだった。俺の仕事は、そういう幅広さをうまく捕まえて、バンドが好きに選べるようにすることだった。ボトムはしっかりしてて、トップは軽やかで歯切れがいいっていうか。ビリーはGretschの使い手として有名だけど、このアルバムじゃLes Paulと、ちょっとStratocasterだ。
ここには紹介してない前書きを読むと、最初はスタジオの掃除夫だったって書いてある。ホントかよ。すごいな。ここに挙がってる10枚を見ただけでも、たいそうなキャリアだけど、そういうのを匂わせない謙虚さと、けど、曲を良くするために言うべきことは言う、みたいな姿勢がミュージシャンに好かれてるようだ。「ミキサーは黒子に徹してないといけない」っても言っている。ちなみに、お気に入りの機材は、レコーディングにはNeveやAPI、ミキシングにはSSLなのだそうだ。
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