パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
「Frank Talk: The Inside Stories of Zappa's Other People」って本を書いた Andrew Greenaway って人がやってるザッパのファン・サイト「Idiot Bastard」に掲載されたもの。2018年2月のインタビューとのこと。
→ Idiot Bastard | Interview with Patrick O'Hearn, 05.02.18
ボジオは、「The Ocean is the Ultimate Solution」のセッションが実際にはあなたのオーディションだった、と言ってましたが、どんな様子でしたか。
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サックスのジョー・ヘンダーソンとのツアーで、ロサンゼルスのクラブに出演してた時だった。テリーが、フランクと作業してるスタジオに招いてくれた。だいたい夜6時から朝6時くらいまでやってたようだ。それで、ある晩、ジョーとの最後のステージが終わった後、訪ねてったんだ。アップライトベースも、真夜中に道端に停めた車に放置したくなくて、引きずってった。そして、スタジオの休憩室に運び込もうとしたら、たまたまテリーとフランクが、そこで立ったままコーヒーを飲んでた。
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テリーが私を紹介すると、フランクが「今ちょうど作業してる曲でアップライトベースを弾いてみる気はないか」って聞いてきた。私は舞い上がってしまって、スタジオに連れてってもらった。エンジニアがマイクをセッティングしてくれて、すぐさまテープが回り出したんで、即興で弾き始めた。すごく面白い曲だった。テンポも変わるし、キーも変わるし、拍子も変わるし、変にどんどん変わっていく。それまで演奏してた音楽とは全く違ってて、心底、楽しかった。
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フランクは出来栄えが気に入ってくれたようで、今度は「エレクトリックベースは弾くか」って聞いてきた。「弾きますけど、今は持ってきてません」って答えたら、「明日またクラブが終わってから、持ってきてくれるか」って言うんで、私は「今の曲をカセットテープに入れて頂けませんか」って頼んだ。それを聴いて、夜中じゅうずっと、そして明るくなってからもしばらく、譜面を起こして、曲を勉強した。
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次の晩、今度はエレクトリックベースでレコーディングした。フランクは、テリーとコントロールルームから出てきて、「仕事が欲しいかな?」って聞くんで、ちょうどジョーとのツアーが終わるところで、その先の予定が何もなかったので、「はい」って答えた。そうしたら、フランクは握手してきて、「おめでとう。きみを雇うことにした。今すぐにだ」。
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幸運だったし、滅多にない機会だったってことだね。
ちなみに、これは1976年、本人が21歳の時の話。スティーヴ・ヴァイやエディ・ジョブスンのオーディションに比べて、ずいぶん普通 (笑)。
ボジオ、オハーン、ククルロの3人が今年トリオを組むって話は、ボジオもインタビューで言ってて、毎年ドイツでやってる「Zappanale」っていうザッパ追悼イベントで、この7月21日に一晩限りのライブをやったんだそうだ。
スリーショット (ボジオ、人間が一回り大きくなったか?(笑))
→ Facebook | Terry Bozzio Official, July 19
(追記 2018/8/7:なぜか Instagram から削除されてたので、Facebook の同じ写真で差し替え)
オーディエンス映像
→ YouTube | Bozzio-O'Hearn-Cuccurullo Power Trio - Canarsie / Man with the Woman Head (Live on Zappanale 2018)
→ YouTube | Bozzio-O'Hearn-Cuccurullo Power Trio - Filthy Habits (Live on Zappanale 2018)
これがセットリストらしいんだけど、ほんとに、こんな3時間以上もやったのかな。すごいな。
- First Check
- Introduction by Wolfhard Kutz
- Introduction by Michael Käckenmeister
- Introduction by Jim Cohen
- Introduction by Warren Cuccurullo
- Opening Track
- The Purple Lagoon
- I'm So Cute
- Transylvania Boogie
- Introduction to Canarsie
- Man with The Canarsie Woman Head
- Zoot Allures
- Fixing Terry's Broken Base Drum Head
- The Greek Costume Change Flashback
- Terry's Drum Solo
- Co-Training
- In France
- Chatter
- Tryin' to Grow a Chin
- Introduction to Pat's Changes
- Pat's Changes
- Chatter
- Pound for a Brown on the Bus
- Black Napkins
- Introduction to the Black Page Drum Solo #1
- The Black Page Drum Solo #1
- Filthy Habits
- Chatter
- Unknown Track
- Twenty-One
- Chatter
- On Vacation
- Treacherous Cretins
- Back in 1981
- Chatter
- Unknown Track
- Unknown Track
- Sam with the Showing Scalp Flat Top
- Crew Slut
- Flower Punk
- Baby Snakes
- Willie the Pimp
- Muffin Man
- Closing Words by Jim Cohen
- Closing Words by Radio Moderator
Total time: 192.58 min
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