スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (2/2)
キース・ムーンは1973年11月20日のザ・フーのサンフランシスコ公演で、ステージ上で昏睡状態におちいってしまい、聴衆の一人がステージに上がって、代役でドラムスを叩くことになった。その当人のインタビュー。当時、19歳だったそうだ。「DRUM! Magazine」のたぶん1989年10/11月号の記事がウェブに掲載されたもの。
→ Scot Halpin: Keith Moon's Substitute
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ステージに上がってから後は、頭ん中が真っ白なんだ。その公演の海賊盤を誰かから聴かせてもらったことがあるが、3曲か4曲やってて、思ってたよりうまくやれてたような気がする。フィルとか一通りちゃんと叩けてたし。そしたら、彼らは「Live at Leeds」みたいにジャムを始めて、10分くらいかな。「Bargain」と「Magic Bus」をやったよ。ピート・タウンゼントが難聴になるのも無理ないなって思った。
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正直に言って、死ぬほど恐ろしかった。何から何まで狂ってるんだ。ドラムスのデカさが普通じゃなくて、タムは俺のバスドラムくらいある。どこもかしこも埋め尽くされてて、シンバルはどれも重なり合ってるし。どうスティックを振っても何かに当たる。最初はスティックを普通に持ってたが、何も音が出せないんで、逆に持って太いほうで叩かないといけなかった。後ろのモニターも化け物みたいだったし、ドラムスの生音を聴くのがやっとだった。
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キース・ムーンは唯一無二の存在だ。バンドでのドラマーの地位をひっくり返してくれた。当時はギターばかり注目されてたわけで、そんな中で、目立ちまくるし、ドラムキットを飾り立てるし、誰よりも先にダブル・バスを使うし、ドラムスってものを前面に押し出してくれたんだ。
話は違うけど、少し前に「Marshallアンプ型の冷蔵庫Marshall Fridge」ってニュース (ってかネタ) があった。その記事の末尾に、『ドラマーに飲ませるための「馬用トランキライザー」等をしまっておくことができる』って書いてある。これは、キース・ムーンが1973年当時、ドラッグ中毒の末期に、もう人間用じゃ効かなくなって、大型動物用のトランキライザー (精神安定剤) を常用してたことを言ってる (ジョン・ボーナムも常用してたって説があるけど、裏が取れてない)。今でもネタにされてるって、海外じゃ誰でも知ってる話なのかな。
→ Wired: Marshall Fridge (日本語)
そういや、Marshallの創始者、ジム・マーシャルもこないだ4月に亡くなった。ご冥福を。
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