マイク・ケネリー、フランク・ザッパを語る (1/2)
「5人のギタリスト、フランク・ザッパを語る」っていう「Guitar Magazine」誌の1994年2月、ザッパが亡くなった直後の記事が、2010年8月に「Guitar International」サイトに転載されたもの。ウォーレン・ククルロ、マイク・ケネリー、ドゥイージル・ザッパ、エイドリアン・ブリュー、スティーヴ・ヴァイの5人が、バンドに加わったきっかけやザッパへの思いなどを語っている。
→ Guitar International - Frank Zappa’s Guitarists: Interviews with Five Guitarists of the Zappa Kind
-
小さい頃から (9歳からだそうだ) ずっとザッパが好きだった。彼の妙なユーモアが気に入ったんだと思う。音楽について言えば、どのアルバムのコンセプトも全て良い。他の誰よりも上手くやる。うまく洗練させるんだ。音楽の構造も大好きだ。10歳の誕生日に「Fillmore East」のアルバムをもらった。PMBC (たぶんPMRCの間違い) に言わせるなら、その時に俺は「壊れた」んだ。それ以来、彼の作品を何度も何度も聴いてきた。
-
1987年、当時はサンディエゴに住んでたんだが、フランクが新しいツアーのバンドのリハーサルをやってるって聞いた。それで彼のオフィスに電話して、「ヴォーカルもキーボードもギターもやれます。曲もよく知ってます。もしもご興味がおありなら、お電話を頂けますか」、そう言った。そうしたら、フランク本人から折り返し電話があって、「俺の曲を何でも演奏できるそうだな。本当かよ。ここに来て証明してみろ」。
-
兄貴 (または弟) に車を運転してもらってロサンゼルスに向かう途中、ずっと後部座席で「Sinister Footwear 2」や「What's New in Baltimore?」を練習してた。本当はどの曲も演奏できるって訳じゃなかったが、ハッタリで何とかなるだろうって思ってた。彼の演奏スタイルやメソッドは脳みそに刻み込んであったしな。オーディションの場所に着いたら、フランクから「Cheapness」をやってみろって言われた。これはハッタリで上手くやれた。次に、ピアノで「Strictly Genteel」を弾けって言われた。楽譜を目の前に置いてくれたが、読譜ができないんで、記憶を頼りに弾き始めた。フランクも読譜が上手くないようで、どこを弾いてるのか、俺の肩越しに見ていたが、よく判らないようだった。そうしたら、弾くのをやめさせて、「譜面を読んでるのか?」って聞いてきた。俺が「いいえ」って答えたら、彼は大笑いして、で、採用になった。彼と同じように音楽をやる奴が見つかったってことでね。
ちなみに、「PMRC」ってのは「俗悪な音楽」を禁止しようって政治圧力団体で、青少年に不適切、子供の心を壊すってことで、ザッパの音楽もやり玉に上げてた。
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る