ジェイソン・ベッカー、ALSを語る (1/5)
全身の筋肉が徐々に萎縮してしまう難病、筋萎縮性側索硬化症 (いわゆるALS) と戦っているジェイソン・ベッカーが、ドキュメンタリー映画「Jason Becker: Not Dead Yet」(直訳すると、まだ死んでない) の昨年暮れの公開に合わせて、インタビューを受けている。「Uber Rock」サイトの2012年11月の記事より。
→ Jason Becker - Uber Rock Interview Exclusive
カコフォニーで一緒だったマーティ・フリードマンとは、今でもコンタクトを取ってますか。
- もちろんだ。彼は日本に住んでるんで、メールで、今作ってる曲をやり取りしたりしてる。彼は今でも俺の音楽の師匠だし、ブラザーなんだ。彼の友情と影響がなかったら、ミュージシャンとしては半人前以下だっただろうよ。
1989年に、スティーヴ・ヴァイが抜けた後のデイヴィッド・リー・ロス・バンドに入りましたが、大きな挑戦でしたか。
- 当時は若くて自信満々だったんだよな。デカい挑戦だなんて思わなかった。ヴァイのことはすごく尊敬してたけど、俺はその次に偉大なギタリストなんだ。自分のスタイルを持ってるし、誰にも負けないし、だいたい、あのマーティ・フリードマンとやってたんだぜ。これが世界デビューのきっかけになるだろうって判ってた。俺自身の演奏、俺自身の音楽を見せつけてやる。そんな感じだった。けど、デイヴのバンドだったんで、やりたかったこととはちょっと違ってたな。バリバリに弾き倒すとか、やらせてもらえなかった。それに、手に力が入らなくなってきたんだ。
最初に病気の宣告を受けた時は、どうでしたか。
- どうってことないぜって思った。若かったし、音楽に集中したかったし、一生もんのバンドだったし。しばらくは否定してた。ちょっとはがっかりしたけど、アルバム (「A Little Ain't Enough」) が出来上がるまでは、大してショックじゃなかった。ツアーに出られない。それが悲しかった。治療を始めないといけなかったからな。それまでのやりかたで音楽を作ることができなくなって、その怒りをどうにかしないといけなくなった。けど、最初は気にしてなかった。ALSってもんが判ってなかったんだ。つまんない病気が、この幸せな生活を変えてしまうなんて、思ってもいなかったんだ。
20代の半ばで発症して、医者からは5年の命 (最後は呼吸する筋肉の力がなくなる) って宣告されたそうだけど、もう20年以上も頑張ってる。ただ、すでに会話もできず、目の動きで意思疎通するしかないそうだ。インタビューもメールでやり取りしたとのこと。ちなみに、トトのマイク・ポーカロも同じ病気。
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