ヴォルフガング・フリュア、クラフトワークの今年のコンサートを語る (2/4)
クラフトワークのスピンオフ第3弾は、1973年から1987年まで在籍していたヴォルフガング・フリュア。クラフトワークの2013年1月、デュッセルドルフでのコンサートを観て、レビューを公表している。過去の色んなしがらみがあるからかも知れないが、そうとう辛口なので、クラフトワークのファンの方々は、心して読んで頂くのがいいと思う。「The Quietus」サイトの2013年2月の記事で、ドイツ語から翻訳したものとのこと。
→ The Quietus | It's No More Fun to Compute! Kraftwerk Live Review by Wolfgang Fruer
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1970年代、80年代の自分たちのステージを思い出してみると、ずいぶん変わってしまった。だが、今のクラフトワークのファンは、それに気づきようがない。自分たちは動いていた。あのロボットたちは動かない。退屈で、あくびが出てくる。時間も長すぎる。もう30分短くてもいいくらいだろう。クラフトワークをやってないといけない4人にとって、クラフトワークを演じることは、少しも楽しくないようにみえる。
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彼らは互いに目を合わせようともしない。4つの人の形の間には、何の火花 (きらめき) もない。何の磁力 (魅力) もない。冷たさだけが支配している。立て続けのコンサートのせいだろうか。働きすぎなのか。過労のせいなのか。ロボットが過労になりえるかは判らないが。ラルフは完全に、心ここにあらず、に見えた。声はかぼそく、息が続かない。心が折れているみたいだ。記憶の中にあるラルフとは別ものだ。
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(彼らには) もう何の情念も残っていない。気が抜けてしまっている。なぜフローリアンが、結成当初からの相棒の束縛や独裁に別れを告げたのか、判るような気がする。もう御免だったんだ。私はそう思う。
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一緒に行った仲間の一人が、身を寄せてきて、こう言った。「きみが行って、右から二番目に立ってくるべきだよ」。別の一人が、こう返した。「頭がおかしいんじゃないか? ヴォルフガングがあの亡霊たちの間に立つだって? ようやく自由になれたんじゃないか。以前よりずっと気分よくなってるんじゃないか。そうだろ?」。その通りだったので、私は微笑むしかなかった。
これは1月19日の話で、例の日替わり連続コンサートの7日め、「The Mix」の回。しかも、前日に続いて、1晩に2回コンサートがあって、フリュアたちはその2回めを見ている。開演は午前0時。クラフトワークのメンバーが消耗しきってたとしても、不思議はないんじゃないかな。ヒュッターなんか、この時、もう66歳だったわけだし。
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