ロバート・フリップ、アンディ・サマーズと語る (9/16)
1984年、フリップとサマーズがアルバム「Bewitched」をリリースした時のラジオ番組を、ファンが録音してて、後から口述筆記 (テープ起こし) したものだそうだ。普通のインタビュー記事と違って、後から言葉を整理・編集したりしてないので、ある意味 (笑)、生々しい。すごくリラックスした雰囲気。
→ Elephant Talk | Interview with Robert Fripp and Andy Summers on WHFS 99.1 in Annapolis/Baltimore
(ビデオクリップの) 内容を教えてもらえますか。
-
フリップ:撮影は、ホロウェイ療養所ってところだ。1877年に中産階級の治癒可能な精神病患者のために建てられた。今じゃ、25エーカーが6百万ポンドで売りに出てる。建物の一つが、この煉瓦造りの巨大な教会だ。入り口を入っていくと、たしか1900年だったと思うが、ロンドン芸術学校が描いたって壁画が目に飛び込んでくる。彼らは、自分たちか何をしてるか、判ってなかったと思うんだが、壁全体が悪魔の様々な絵で覆い尽くされてるんだよ。
-
サマーズ:信じがたい代物だったな。
-
フリップ:実におぞましい代物で、心が激しくかき乱される。たとえ精神に障害を持ってなくても、少しでも感受性を持ってる人なら、誰もが心の底から怖気づくよ。だけど、そこからホールに入ると、田園風景の絵になって、長いテーブルが置いてある。
-
私の役どころは一家の主人で、執事のアンドリュー (愛称がアンディ) が私を怒らせようとするんだが、無表情で感情がなく、微動だにしない。で、アンドリューがお茶を入れてくれるシーンがあって、サルがロバに乗ってるし、ジーン・オクトーバー (パンクロッカー) 扮するジャンキーが大きな椅子に崩れ落ちてるし、その上には剥製のクマがのしかかってるし、椅子にはヒツジが繋がれてるし、テーブルにはヤギがいてタイムズ紙、次にガーディアン紙を食べてるし。カメラは小さなレールみたいなドリーに乗ってて、アンドリューの動きに合わせて移動する。動物たちにはそれぞれ調教師が付いてて、カメラが近づくと動物を放して、視野から出て行くようにする。
-
私の前にはタランチュラのクラッカーが出てきて、それを食べるんだ。幸い、タランチュラは作り物だけど、やたらリアルで、クリームチーズを塗ったクラッカーに載ってる。タランチュラの足の毛が落ちてクリームチーズに混ざってたかも知れないが、よく判らない (笑)。
ある意味、音楽ビジネスの縮図ですかね (たぶん、音楽ビジネスの支離滅裂さや醜怪さを表現したんじゃないですか、って意味のような気がする)。
- サマーズ:我々は声明を発表したんだと思うな。
動物たちもギャラを受け取ったんですか (statement には声明と決算書って2つの意味がある。インタビュアーもダジャレの応酬で負けてない (笑))。
-
サマーズ:ウンチは残してってくれたよ (residual には出演者への放送権料と排泄物って2つの意味がある)。
-
フリップ:キツネは夜中には寝てたしね。
-
サマーズ:そうそう、コブタがいて、ちょっと出演する予定で、夜中じゅうずっと待ってたんだけど、死にそうになっちゃったんだよ。
-
フリップ:朝の4時だったよね。
-
サマーズ:そう。だけど、幸い、生き抜いてくれた。生後6ヶ月だったからな。よく頑張ってくれたよ。
-
フリップ:いや、生後ほんの5週間だよ。まだ乳離れもしてなかった。
このへんまで、先輩のサマーズに遠慮してか (サマーズは1942年、フリップは1946年の生れ)、インタビュアーがしきりにザ・ポリスねたに振ろうとするせいか、フリップの言葉数が (いつもより) 少なかったんだけど、ここに来て一気に炸裂した感じ。
そういや、先月、本業の仕事のほうでバタバタしてた間に、サマーズから見たザ・ポリスの映画ってのが日本でも上映になってたな。東京が済んで、この後は名古屋・関西みたいだ。
このへんも含めて、アンディ・サマーズ情報は、こちらのファン・ブログがものすごく充実してて、しかも速い。映画の評もある。
→ +A | 2013-11-23 Shibuya Can't Stand Losing You / Surviving the Police
ちなみに、映画のBlu-Ray / DVDはこちら (リージョンコードが書いてないようだけど)。
→ Movies Bluray | Can't Stand Losing You: Surviving the Police
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る