ルー・リード、ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドなどを語る (2/9)
古い人ついでに、追悼の意も込めて、2013年10月に亡くなったルー・リードを行ってみようか。「Guitar World」誌誌サイトの2013年11月の記事より。元は1998年の雑誌記事をウェブに転載したもの。ザ・ヴェルヴェット・アンダーグラウンドのこととか、色々と語っている。リッチー・ブラックモアとは違う意味で、とにかくインタビュアーをビビらせる人なんで、かなり貴重かも。
→ Guitar World | Lou Reed Talks about the Velvet Underground, Songwriting and Gear
「Heroin」や「Sister Ray」にあるような、中毒、ジャンキー、服装倒錯な売春婦など、そういったテーマをポップやロックに持ち込めると思ったのは、どうしてですか。
- ウィリアム・パローズ、アレン・ギンズパーグ、ヒューバート・セルビーなんかをよく読んでたからな。ああいう作品の大ファンなんだ。俺は英文学の学士号を持ってんだよ。だから、当り前だろ。そこには、まだ地図に載ってない広大な世界が開けてる。まるで、その世界こそが本来の姿であるかのようにだ。あんたも読んでみるといい。きっと楽しめる。そして、その上でロックももっと楽しめるようになるんだ。
そこまで文学的なリアリズムを持ち込んだのは、あなただけですね。
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あんな判りやすいアイデアの他に何かあるなんて、想像もできない。あんなのを本に書いたとしたら、ちらっとも見てもらえなかっただろうな。いや、あんなのをわざわざ本に書いた奴ってことで、ちらっとは見てもらえたかも知れない。とにかく俺が言いたいのは、ずっと昔、古いブルースの頃から、とっくにあったってことだ。
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今のギャングスタ・ラップとか他の何でもそうだが、当時「Sister Ray」で歌ったことも、全く同じテーマだ。俺は本は書かなかったが、「Venus in Furs」には、分厚い本一冊分くらいが詰め込んである (*)。いつでも曲に出来る状態だったんだ。
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ある意味で、もう今はちょっと難しい。あそこまでやっちまったんで、「Venus in Furs, Part II」とか「Heroin, Part III」なんてのは、もう作れない。当時は、ああいうテーマに入れ込んでたんだ。その一方で、きれいなラブ・ソングらしきものも作って、いつもバランスを取ってたんだろうな。変な並びだよな。だが、俺の曲作りには見栄があったんだ。読んでた本、付き合ってた仲間、やってたこと、そんな背景を考えたら、俺が単純な甘ったるいラブ・ソング (原文は「moon and June」) なんか書いたら、おかしいだろ。もしもそんなのを書いたら、いじり回さずにはいられない。その結果が、「I'll Be Your Mirror」、「Pale Blue Eyes」、「Femme Fatale」、「All Tomorrow's Parties」なんかだ。
(*) 原文の注に、この曲の題名もバンド名も、マイケル・リー (Michael Leigh) のSM小説「The Velvet Underground」から来ている、ってある。有名な話だけど。
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