クリス・カトラー、ヘンリー・カウや即興を語る (10/11)

06 August 2015  |  Tags: Chris Cutler

カトラーの公式サイトに転載されているインタビューで、元は「Traverses」誌の1999年の記事だそうだ。

→ Traverses | History, Cow, Texts, Improvisation - Interview with Chris Cutler


作曲する場合と即興する場合で、歌詞の作りかたは違いますか。

  • もちろんだ。誰がどう歌ってくれるか、できるだけ考えながら作ってる。例えばダグマーだったら、どんな声か、どんな歌いかたか、どんな発音か、判ってるから、それに合うように作る。

「A Mere Coincidence」はアート・ベアーズやニュース・フロム・バベルを思わせたり、ヘンリー・カウをもっとコンパクトにしたように感じたりします。タイトで高密度で複雑な音楽ですが、プログレに近いって言っていいですか。

  • そうだなぁ。プログレって言われてる音楽と共通するものはあると思う。だが、1970年代にこんな音楽は作れなかったよ。

「歌」っていう形式を捨ててはいないと思っていいですか。

  • そうだ。ザ・サイエンス・グループはアート・ベアーズの直系の子孫だし。ピーター・ブレグヴァドやジョン・グリーヴスとは、今でも一緒に仕事してる。昔ふうのストレートな歌だ。デイヴィッド・トーマスともね。ジ・(EC) ヌーズも歌のために作ったバンドだ。ヘイル、ザ・カラハリ・サーファーズ、ザ・レジデンツなんかの歌ものバンドと一緒にやったこともある。

RIOの頃にリコメンデッド・レコードって会社を作ったのは、なぜですか。

  • RIOの流れだ。誰にも知られてない音楽が沢山ある。メジャーどころや大手は興味を持たないし、マスコミも紹介しないし、誰かが何かをやらないといけなかった。だから、やったんだよ。それだけだ。

どんなグループをプロデュースするかは、あなたが一人で決めるんですか。

  • そうだよ。ちっとも民主的じゃない。

年に何枚くらいのアルバムを出してますか。

  • 10〜12枚くらいかな。

その精神は、今でも変わりませんか。

  • そうだな。1970年代に実験的だったことは、今では古くさかったり詰まらなかったりしがちだ。たまには古いのも出すが、たいていは新しいもので、今の時点で実験的なものだ。過去を懐かしんだりはしない。

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