マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (7/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
ミュージシャンの知合いは、まだPro ToolsもLogicもない頃に、よくあれだけ複雑な音楽が作れたって、驚嘆してるんですが。
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それに、どれも全て (プログラムでなく) 手で演奏してるしね。Logicの前身のNotatorより、さらに先立つすごく単純なシーケンサーとサンプラーは使ってた。Amiga (初期Macintoshと同じ頃にあった特にゲーマーやアーティスト向けコンピューター) の上で動くんだ。毎朝、それで曲の骨格をプロットしてマルチトラックに落としては、トムに「これがスケッチだ。今日はこれで行くよ」って言うんだ。そして、その上で全て手で演奏していく。シンセサイザーは無しだ。そのスケッチも最後は捨ててしまう。仕事の手段ってだけだからね。
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「Amarok」の最初に、拍子が無くてびっくりするようなアコースティック・ギターが入ってるよね。あれがやれてよかった。ロサンゼルスでスチュワート・コープランド、ジェフ・リン (エレクトリック・ライト・オーケストラのリーダー) と一緒に、あのパートをセッションしたことがある。とんでもなかったな。拍子が無いんだから。
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あれは、どれかのツアーで最後にアテネに着いた時のことが元になってる。モーリス・パートは恐ろしくリズム感に恵まれたドラマーだけど、市場で地元のミュージシャンたちとジャムり始めたんだ。そうしたら、彼らの演奏には拍子がない。「ワン、ツー、スリー、フォー」なんて言わない。私はアコースティック・ギターとブズーキ (ギリシャの民族楽器) で加わった。ブズーキは大きなマンドリンみたいで、少しだけ弾けるんでね。ただ音が漂っているだけだけど、ランダムじゃない。ロジックがあるんだけど、それを否定しようとする。ストラクチャーのない音楽に、本当に夢中になってしまった。「Amarok」では、それを再現しようとしたんだ。
今日のおまけ:うーん、美しい。
→ YouTube | Mike Oldfield Playing Acoustic Guitar (Amarok, Ommadawn + Others)
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