マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (9/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
このアルバムに「F#ck off RB (くたばれ、リチャード・ブランソン)」ってモールス信号が入ってるのは、有名な話ですが。
- あれは私のささやかな抵抗だ。リリースしてから1年くらいは誰にも言わずにいて、誰か鋭い人が気づいてくれるのを期待してたんだけど、誰も気づいてくれなかった。なので、このままじゃずっと埋もれたままだ、自分から言うしかないかな、って思ったんだ (笑)。
そうしたら、ブランソンはおじけづいたんですか。
- まさか。ただの冗談だからね。今じゃリチャードとはうまくやれてるよ。
次のアルバムは「Heaven's Open」ですが、これも異色ですね。唯一、全て自分でリードボーカルを取ってますから。
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それも駄作だ (笑)。ロック・シンガーになろうと思ってやってみたけど、うまく行かなかったね。わざわざ最良のコーチまで雇って、その巨漢の女性から、半年も本格的なトレーニングを受けたのにな。本当にとことん頑張ったんだよ。
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けど、いいこともあった。スイスのレマン湖の近くにスキーに行った時、ある人からF1レーサーのジャック・ヴィルヌーヴを紹介された。ちょうどレースで優勝した直後だった。そうしたら、「Heaven's Open」は一番好きな歌だって言ってくれたんだ。スタート前のグリッドに並んで、まさに歌詞の「This is that moment. It's waiting for you (今こそ君の出番だ)」みたいに考えて、それで勝ったんだろうな、私の歌が役に立ったのかもな、そう思った。悪くないだろ。やった甲斐があったってものだ。
音楽的にはどうですか。
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タイトル曲はいい出来だね。けど、作るのは大変だった。プロデューサーのトム・ニューマンはデイヴィッド・ギルモアとすごく仲がよくて、西ロンドンにある小さなパブで、何回かジャムをさせてもらったことがある。ある時、彼がそこにいて、この曲をわざわざ聴いてくれた。そして、何ともうまいアドバイスをくれたんだよ。この曲の共同プロデューサーとしてクレジットさせてもらってもいいくらいだと思ったね。
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「Five Miles Out」や「Crises」なんかを一通りリミックスしてきて、「Heaven's Open」の番になったら、ほんの数ヶ所くらいしか手の加えようがないんだ。全てリミックスしないといけないなんて契約の縛りは何もないから、結局、ちょっとつまんだだけだった。
このアルバムだけ、「マイク」でなくて「マイケル・オールドフィールド」名義なんですが、なぜですか。
- なぜいけない?(笑) そういう気分だったんだ。歌ったもんで、ちょっと違うふうに言いたかったのかも。当時はそれなりの理屈が、何かきっとあったんだろうと思う。
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