グリン・ジョンズ、ザ・スモール・フェイセス「Ogdens' Nut Gone Flake」を語る (代表作を語る (1/9))

26 February 2016  |  Tags: Glyn Johns, The Small Faces

「Uncut」誌の2011年12月の記事がウェブに2014年2月に掲載されたもの。1960年代から活躍してるエンジニア/プロデューサーのグリン・ジョンズが、自分の係わった代表的なアルバムについて語っている。そうそうたるラインナップだ。

→ Uncut | Glyn Johns - Album by Album


ザ・スモール・フェイセス「Ogdens' Nut Gone Flake」(1968)

  • ザ・スモール・フェイセスは最も途方もないバンドの一つで、やたらエネルギッシュだった。アメリカに行ってたら、世界制覇してたんじゃないかな。

  • ずっとエンジニアとして手伝ってきてたら、彼らは、次のアルバムをプロデューサー抜きで作り始めた。またエンジニアを頼んできてくれたけど、実際にはプロデューサーみたいなもんだった。だけど、アルバムのコンセプトはスティーヴ (マリオット) とロニー (レイン) のものだ。スタン・アンウィン (ナレーション) を連れてきたのも奴らだし。あの楽しさは素晴らしかったな。

  • レコーディングは恐ろしくスピーディーだった。誰かが曲を作りながら入ってきたり、スティーヴが「昨夜トイレで一曲作ったぜ」って言ったりする。初めはバラバラなのが、セッションの最後にはいつもちゃんと曲に仕上がってるんだ。

  • 一番よく憶えてるのは、スタンが曲のつなぎを喋ってる時に、コントロールルームで爆笑をこらえないといけないことだった。異常に可笑しいんだよ。彼はバンドにもとても優しかったけど、何を作ってるのか、明らかに全く判ってなかった。だけど、愛情に満ち溢れた彼のナレーションこそ、アルバムを大成功に導いたんだ。


この記事、ずいぶん前から取っといてあったんだけど、グリン・ジョンズの自伝が翻訳されたそうなので、これが予告編みたいになって少しは販売促進につながるかなってことで、紹介することにした。

→ Amazon | グリン・ジョンズ - サウンド・マン 大物プロデューサーが明かしたロック名盤の誕生秘話

この記事で取り上げられてるのは、 (1) The Small Faces - Ogdens' Nut Gone Flake, 1968、 (2) The Rolling Stones - Beggars Banquet, 1968、 (3) Led Zeppelin - Led Zeppelin, 1969、 (4) The Beatles - Let It Be, 1970、 (5) The Who - Who's Next, 1971、 (6) Eagles - Eagles, 1972、 (7) Eric Clapton - Slowhand, 1977、 (8) The Clash - Combat Rock, 1982、 (9) Bob Dylan - Real Live, 1984。

前書きによると、ジョンズは学校を出た1959年にIBCスタジオのエンジニア見習いになって、言われた通りにただボタンを押す、みたいな仕事から始めたんだそうだ。「プロデューサーはミュージシャンのキャリアを、伸ばすよりもずっと簡単にぶち壊せる。自分はただ幸運だっただけだ」とも言ってたりする。ちなみに、実の弟のアンディ・ジョンズも、やはりロックのプロデューサー。

続く ›



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