トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (4)

04 August 2021

今回はちょっと趣向を変えてみた。トーマス・B・W・ベイリーって人、よく知らないんで申し訳ないけど、アメリカで電子音楽の方面で活動してるそうだ。日本に住んでたことがあって、日本のレコード店を訪れた時の衝撃を語っている。「Perfect Sound Forever」サイトの2008年12月の記事より。

→ Perfect Sound Forever | A Salute to Japan's Independent Record Shops


  • 「円盤」のそういう雰囲気(商売より客との交流を大事にする)は幾つかの個人店に共通してて、一見さんにはどうでもよく見えたりごちゃごちゃに見えたりしても、音楽の多様性を熱く追求してる。

  • 西新宿の「Los Apson」って小さな店(今は高円寺にある)は「円盤」の姉妹店みたいな店で、やたら超越したところとどうしようもなくバカバカしいところが、あんなふうに融合してる店は、他に類がない。店主の山辺 圭司は、店を始めたきっかけを、こう教えてくれた。「前は六本木WAVEで働いてて、USインディー系を担当してた。そしたら、ニルヴァーナとかが爆発的に売れて、誰もが『USインディーってのは』って訳知り顔に語り始めた。なので、自分は『アヴァンギャルド』のコーナーを作ったりしたんだけど、他にも『チカノ系(メキシコ系アメリカン)』や『ポンチャック(原注:韓国のタクシー運転手が大好きなチーブなダンス音楽)』もやりたくてね。大手レコード店じゃ無理なんで、自分で店を始めたんだ」。

  • 山辺の店は、東京のいわゆる「セレクトショップ」じゃありがちだが、客が3人も入ると、もう身動きが取れなくなる。入るのをためらう客もいそうなくらいの狭さを、彼らは逆手に取って、クリエイティブなテイストを作り出してるんだ。ネオ・ダダイズムのパンフレットから、「brain damage」って分類されてるCDや、メキシコのプロレス雑誌(原注:山辺の趣味)まで、「Los Apson」の何もかもが好奇心をそそる。

  • 田口の言葉にも出てきた「いったいぜんたいこりゃ何なんだ?」な雰囲気が、ここにもある。手作りのミニディスク、ぎょっとするようなデザインのTシャツ、日本や欧米のカウンターカルチャーの野放図な書物たち、そんなものが店にあふれてる。もちろん普通のCDも大量にある。「Kurara Audio Arts」、ここもエキセントリックな店だが、の店主の野界 典靖が言うには、「『Los Apson』はただの売り場じゃない。別の宇宙なんだ」。


→ Los Apson?
→ ACROSS | Kurara Audio Arts ... 「Los Apson」の店主の名前が間違ってたりする。

んー、一年以上も間があいちゃって、何だか文字通り間抜けな感じ。ぼちぼちと少しずつ復活できるかな。

今日のおまけ:唐突に「Jesus Christ Superstar(ジーザス・クライスト・スーパースター)」の件。

1970年の最初のコンセプトアルバムではイエス役を、当時ディープ・パープルに加入したばかりのイアン・ギランが演じたわけで、

  • 1時間半の作品で、主役としてほぼ出ずっぱりなのに、自分のパートの収録を3時間で済ませた(「Gethsemane(ゲッセマネ)」は1テイクって噂も)。
  • その後のロンドン公演の時も映画化の時も、イエス役としてまずオファーを受けたが、「自分はミュージシャンであって俳優じゃない」って言って、ことごとく固辞した。
  • クライマックスの曲「Gethsemane」は、元の譜面にはオクターブ上げるとか何も書いてなかったのに、ギランが勝手にハイトーンでシャウトしたのがヒナ型になってしまって、後に続くイエス役は(ほぼ)誰もが競うようにシャウトするようになった。

などなど、幾つか逸話がある。

ギラン本人曰く (2009年)、「好きなように歌っていいって言われた。自分は売れるかどうかは判断できないが、良い曲かどうかは聴けば判る。歌詞も音楽も実に美しく素晴らしかった。それなりにヒットするだろうとは思ったが、まさかこんなに長く、3800万枚も売れるとはね。思いもよらなかった。」

→ YouTube | Ian Gillan - Gethsemane (I Only Want to Say)
→ YouTube | Jesus Christ Superstar (1970) ... 全編はこちら

ちなみに、参加ミュージシャンの一部は

  • コーラス:トニー・アシュトン(ペイス・アシュトン・ロードなど)
  • ギター:ニール・ハバード(グリース・バンド (*) など)、ヘンリー・マカロック(グリース・バンド、ウィングスなど)、クリス・スペディング、スティーヴ・ヴォーン (**)
  • ピアノ:ピーター・ロビンソン(ブランドXなど)、カール・ジェンキンス(ソフト・マシーン)
  • サックス:クリス・マーサー(ブルースブレイカーズなど)
  • ベース:アラン・スペナー(グリース・バンドなど)
  • ドラムス:ブルース・ローランド(グリース・バンド、フェアポート・コンヴェンションなど)、ジョン・マーシャル(ソフト・マシーン)

(*) ジョー・コッカーのバック・バンド。
(**) スティーヴィー・レイ・ヴォーンでは?って勘違いもあるようだけど、別人で、こんな人。

→ Discogs | Steve Vaughan

そうこうしてたら、なんと、もう一人の主役ユダをロジャー・ダルトリーが演じたバージョンなんてのを発見。1996年にBBCがラジオ放送用に作ったんだそうだ。ちなみに、イエス役はスパンダゥ・バレエのトニー・ハドリーで、ちっともシャウトしてない。元の譜面に一番近いかも。

→ YouTube | Roger Daltrey - Heaven on Their Minds (1996, BBC Radio 2)
→ YouTube | Roger Daltrey - Superstar (1996, BBC Radio 2)
→ YouTube | Jesus Christ Superstar (1996, BBC Radio 2) ... 全編はこちら

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