キコ・ルーレイロ、影響を受けた音楽などを語る (3/4)

25 January 2012  |  Tags: Kiko Loureiro

唐突にキコ・ルーレイロ。たまたま見つけたからだが、生い立ちや練習方法とかも含めて、色々と面白いことを語っている。ちょっと古くて、「Fullblast」リリースの頃 (直前?) のインタビューだ。

→ Conversations with Kiko Loureiro (rockhousemethod.blogspot.com) (2009/4)


バッハ vs メタル、そして速弾き

  • まず肝心なのは和声だ。400年前、和声は長調と短調しかなかった。現在のロックも、時代は違うが、同じ状況だ。バッハのバロック時代は、2つとか5つとか旋律を重ね合わせることで、音楽を作っていた。しばらく後、ベートーベンやショパンのロマン派の時代になって、和音と旋律が分かれた。現代の音楽と同じところもあるし、違うところもあるけど。

  • でだ。こういうクラシックの作曲家たちは何百年も前に、高速の旋律ってのを書いてたんだ。ベートーベンとか最高の一人だし、ショパンやリストのピアノ演奏なんて驚異的なテクニックだ。一方で、ギターの速弾きは1980年代に始まって、「すげぇ」とか言ってるわけだが、エレクトリックギターそのものが、まだ60年しか経ってない新しい楽器だよな。ピアノなら、何百年かの歴史の中に大勢の巨匠たちがひしめいてる。けど、ギターは違う。

  • 中近東音楽やフラメンコは、アコースティックギターで速弾きするのが伝統だ。特にフラメンコは、その精神を判ってないと、そういう環境で育ってないと、弾くのは非常に難しい。右手の技術がすごく特殊なんだ。一方で、ジプシー音楽から派生したマヌーシュってジャズがあって、1930年代にフレンチジャズになった。ジャンゴ・ラインハルトが始めたんだ。彼も速弾きって言えると思う。火傷のせいで、たった2本の指しか使えなかったのにな。ギリシャ音楽じゃ、ギターじゃなくてブズーキって弦楽器を使うが、やっぱり速弾きの伝統が何百年もある。

  • 結局、ギターで速弾きがやりたかったら、色んな種類の音楽を聴かないといけない。色んな文化の中でそれぞれ長い歴史がある。速弾き、つまりスピードは緊張感を表現するものだ。緊張感を高めといて、それを解いて、長い音をつないだりする。ギターだって同じだろ。弾きまくった後に、ビブラートとかで締めくくったりする。そんなふうにクラシック音楽と対比できるんだ。


ひょっとして、実はおそろしい理論派なのか? めちゃくちゃ熱く語ってるじゃないか。ちなみに、メタル・ファンとクラシック・ファンの間には、創造的・内向的・一人でいると落ち着く・ジャンルを細かく分けたがる・「a sense of theatre」(訳すのが難しい。自分がどう見られているかに意識的であること、みたいな意味) って共通点があって、ほとんどそっくりとも言えるって研究成果があるそうで、何か関係あるかも。もっとも、これが掲載されたDaily Mailは日本で言えばスポーツ新聞のノリなんで、そのつもりで読んだほうがいい。

→ Fans of Heavy Metal and Classical Music Have a Lot in Common, Study Finds (www.dailymail.co.uk) (2008/9)

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