マイク・フレイザー、「Coverdale/Page」を語る (キャリアを決定づけた10枚を語る (4/10))
「MusicRadar」の2011年8月の記事より。ミキサー/エンジニア/プロデューサーのマイク・フレイザーが、代表的な仕事として10枚のアルバムを選んだ。第4回は「Coverdale/Page」(1993年)。共同プロデューサー、エンジニア、ミキサーを担当した。
→ Producer/Mix Engineer Mike Fraser: My 10 Career Defining Records
- マイク・ストーンがプロデュースした「Whitesnake」でアシスタント・エンジニアをやって、デイヴィッド・カヴァデイルに気に入ってもらえた。それで、彼がジミー・ペイジとやるってなった時に、呼んでくれたんだ。ジミー・ペイジだよ。すごい人物だ。自分で何でもやれちゃうけど、他人の意見も素直に受け入れる。アンプやミキシングにも、ものすごく詳しい。例えば、マイクをアンプの真ん中近くに置いてたら、「脇に離してみたらどうだ。アタックはなくなるけど、音の全体像は全く変わらない」。その通りだった。他にもこんなことがあった。ある曲の6つか7つのアコースティック・パートを重ね合わせて録音して、で、ジミーは帰ってった。俺は残って、それを聴きながら、ちょっと音を整理するつもりで、あちこちほんの少しずつ手を入れてみた。翌日、彼が来てそれを聴くなり、「何をした?」。「ほんの少しきれいにしてみたんですけど」。「元に戻してくれないか。あんなふうな音じゃないといけないんだ」。これもその通りだった。俺のやったことはジミー・ペイジな感じとパワーをそぐことになっちゃってたんだ。
ジミー・ペイジって、いわゆる「三大ギタリスト」の一人としてだけでなく、史上最強のプロデューサー&サウンド・エンジニアの一人としても評価されるべき人なんで、共同プロデューサー、エンジニア、ミキサーを任されたってのは、よっぽど信頼されたんだろうな。この一連の記事の前書きに、ジミー・ペイジに向かって「もういっぺん弾いてみてもらえませんか」なんて言える人間はめったにいない、って書いてある。マイク・フレイザーはそれを言ったってことだけれども、ジミー・ペイジは「わかった。そのほうがいいと思うんなら」って答えたんだそうだ。
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