ジョン・ロード、たぶん最後のインタビューで語る (2/2)
今回の割込みは、ジョン・ロードのたぶん生涯最後の長文インタビュー。特に目新しい話はないけど、結局これが最後になったかと思うと、感慨深い。ロシアの「Russian Darkside Webzine」サイトの2011年4月の記事より。ただ、ロシアについての感想や、2002年にディープ・パープルを辞めた後に続けていたオーケストラでのコンサート活動の話は割愛。
→ Russian Darkside Webzine - Jon Lord Interview
音楽ネット配信について
- インターネットやMP3が30年前にはあったような音楽の心を損なってしまったんじゃないかって質問には、一言で答えるなら、イエスだ。MP3をダウンロードしてきても、ちっとも良いサウンドじゃない。バンドであれ、オーケストラであれ、コーラスであれ、スタジオでレコーディングする時には、美しいサウンドを目指して、とにかく頑張る訳だよ。できる限りの音の広がりとか深さとかね。けれども、それをMP3に圧縮したら、全て失われてしまう。今のご時世、我々がネットで買っているのはサウンドじゃない。ただのコンテンツだ。歌や音楽が、キャベツやチキンやポテトと同じ、ただの日用品になってしまっている。レコード業界も逃れられない。彼らは、悪く言えば、意地汚いビジネスマンでしかないが、よく言えば、音楽の発展にそれなりの役目を果たしてくれている。その彼らももはや死につつある。とんでもないことだ。いつか揺り戻しが来るはずだって心から信じてるよ。音楽を十分な質でネット上でやり取りできる技術を、数年くらいの内に誰かが考え出してくれるんじゃないかな。そうすれば、音楽の質が再認識されてくるだろう。
若いミュージシャンへの言葉
- 努力することだ。それに尽きる。簡単ではない。二流のものは決して認めてもらえないからね。自分がやっていることを心から信じて、自分自身の「声」を探す。自分のスタイル、自分のサウンド、自分ならではの音楽の見かたを見つけ出すことだ。最初はコピーから始めるしかない。誰でもそうだ。若い頃は、偉大な先人たちの肩に乗ってるんだよ ((Dwarfs) standing on the shoulders of giants:英語の古いことわざ。温故知新みたいな意味)。偉大なミュージシャンに憧れて、「あんなふうになりたい」って思う。だが、その内に、肝心なのは、そういうヒーローそのままになることじゃない、自分自身の「声」でヒーローと同じくらい良くなることなんだ、って判ってくる。そして、いずれヒーローを越えることだ (笑)。それが一番大切なんだ。ベストを尽くせ。強くあれ。自分を信じろ。最初はうまく行かなくても、くじけるな。チャンスを待たなきゃいけないこともある。だが、いつかは必ずチャンスが来る。それを逃さないように、心構えを怠るな。
んー、前半に、FLACやALACは?、なんてツッコミを入れちゃいかんのだろな。後半のアドバイスについては、2012/4/7 の記事で、エイドリアン・ブリューも同じようなことを言ってる。
どうでもいいけど、「Standing on the Shoulders of Giants」って、オアシスのアルバム・タイトルにもなってるな。
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