エディ・ジョブスン、過去30年を語る (15/16)
ジェスロ・タルにゲスト参加したり、ちょっとソロアルバムを作ったりした後、いわゆる「音楽界」の表面からはほとんど消えてしまって、数年前にUKZで蘇ってきたエディ・ジョブスンが、ある意味で最も充実していたその30年間について語っている。「Dutch Progressive Rock Page」ってオランダのサイトの2011年8月の記事より。ジョブスンのインタビューはすごく貴重だが、そうとう長い。
→ Dutch Progressive Rock Page - Interview with Eddie Jobson (UKZ / U-Z)
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27年たった後の最初のライブは、ロシアのプロモーターに招待されたんだ。彼が15歳の時に最初に買ったロックアルバムが、私が参加したカーヴド・エアの「Air Cut」だったんだそうだ。それが今じゃ、ロシアでビッグなプログレッシブロックのプロモーターだ。ライブは2008年8月30日にタタルスタンのカザンってところで、全く聞いたことがなかった。これ以上はないくらい人目につかない場所で、それで、面白そうだなって思ったんだ。27年もいなかったんだから、誰も知らないだろうな、とも思った。だが、全く見当違いだった。「The Creation of Peace Festival」っていう「ロシアのウッドストック」みたいなフェスティバルで、観客15万人だよ。プロモーターは自分の好きなプログレのミュージシャンを大勢招待してて、キース・エマーソンだろ、キング・クリムゾンのロバート・フリップ以外の3人だろ。他にも色んなミュージシャンがいた。フェアポート・コンヴェンションのデイヴ・ペグとか。彼とは1981年に、私の最後のライブになったジェスロ・タルのコンサートで共演したんだ。
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フェアポート・コンヴェンションは若い頃に影響を受けたバンドの一つで、私の興味をクラシックからロックに向けさせてくれた。キース・エマーソンも、影響を受けたミュージシャンの一人だ。それがみんな同じステージに立ってる。私は、まずフェアポート・コンヴェンションと一緒にイントロをやって、それから、フリップの代役として「Larks Tongues in Aspic」や「Red」を演奏した。最後には、エマーソンも私も一緒に、全員で一大ジャムセッションだよ。私がバイオリン、エマーソンがハーモニカとか。マーク・ボニラ (エマーソンとも活動しているギター&ヴォーカル) がリードをとって、レッド・ツェッペリンの曲 (Whole Lotta Love) をやったりした。という訳で、人目につかない再デビューのはずが、実際には巨大なイベントで、翌日にはYouTubeに少なくとも1ダースの映像がアップロードされてた (笑)。
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まぁ、とにかく、それがマーク・ボニラに会った最初だ。そして、グレッグ・レイクの代わりを見事につとめてたんで、彼ならジョン・ウェットンの代わりもしっかりやってもらえそうだなと思ったんだよ。それで、2010年のツアーに参加してもらった。ドラマーはマルコ・ミンネマンとマイク・マンジーニだ。マイクは今じゃドリーム・シアターでやってるけど。アラン・ホールズワースの曲もキング・クリムゾンの曲もやるってことでは、アレックス・マハチェクがベストなギタリストだよ。だが、UKの曲やクリムゾンの曲はマーク・ボニラに歌って欲しかったので、ベースを弾いてもらうことにしたんだ。バンドを4ピースにしておけるしね。
フェスティバルのこんな動画が。こりゃ確かに、ある意味、すごいイベントだわ。特に2/2、エディが大写しで、目立ちまくりじゃないか (笑)。キースはハーモニカだし。
→ YouTube - Festival "The Creation of Peace" - Final 1/2
→ YouTube - Festival "The Creation of Peace" - Final 2/2
キース・エマーソンとエディ・ジョブスンが共演したってのは、これだったのだね。こんな写真も。
→ Tony Levin's Road Diary - Creation of Peace Festival, Kazan, Tatarstan, Aug 30, 2008 ... (例によって) トニー・レヴィンのブログの日本語版
→ BeatleLinks - "The Creation of Peace" Festival, Kazan 2008 ... ここに「The Future Sound of London」として写ってるのは、スティーヴ・ハウの息子のヴァージルって説あり。
ってか、「King Crimson Project」って称して、現地TV放送映像を収録したブートDVDなんかまで、とっくに出回ってたとは。エイドリアン・ブリュー+エディ・ジョブスンは確かに貴重だ。
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