ウォーレン・ククルロ、フランク・ザッパを語る (2/2)
「5人のギタリスト、フランク・ザッパを語る」っていう「Guitar Magazine」誌の1994年2月、ザッパが亡くなった直後の記事が、2010年8月に「Guitar International」サイトに転載されたもの。ウォーレン・ククルロ、マイク・ケネリー、ドゥイージル・ザッパ、エイドリアン・ブリュー、スティーヴ・ヴァイの5人が、バンドに加わったきっかけやザッパへの思いなどを語っている。
→ Guitar International - Frank Zappa’s Guitarists: Interviews with Five Guitarists of the Zappa Kind
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彼の曲をギターで練習していたけど、まさかバンドに入れるなんて思ってもいなかった。彼のバンドのギタリストはたいていヴォーカルもやるが、俺は歌えないし。ある日、フランクが、ラジオ・プロモーション担当をやってくれないか、って言ってきた。俺がどれだけ熱心なファンなのか知ってて、ニューヨークのラジオ関係者に話をつける仕事が向いてるだろうって考えてくれたんだ。ギタリストとしての転機は、ある晩、ニューヨークでフランクと夕食を食べに出た時だった。小さな場所で、隣のテーブルにウィリアム・バロウズ (小説家) とアレン・ギンズバーグ (詩人) がいて、フランクは紹介を始めた。俺の友達を指して「タクシー運転手のマルコム」、俺を指して「ギタリストのウォーレン」。俺は「うわぉ」って思った。だって、トラック運転手なのに、ギタリストって紹介してくれたんだ。それ以来、地下室でガンガン練習した。1978年のある日、フランクから電話があって、ヨーロッパツアーに行くが、やってみる気はあるか、って話だった。翌日にはもう発ってたよ。地下室からいきなりロンドンのハマースミス・オデオン (有名なホール) の大舞台だ。
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フランクは俺の向上心の源だ。彼と一緒に演奏してると、ミュージシャンとしてもっと成長したいって思うようになる。例えばエドガー・ヴァレーズやストラヴィンスキーなんか、彼と演奏するまで、少しも知らなかった。他に聴くチャンスがあるか? そして、フランクといる時は、音楽が全てなんだ。決してドラッグや酒なんかやっちゃいけない。彼は容赦しないよ。それに、人の考えを自分の曲に取り込むだけの人間性を持ってる。こっちは彼からものすごく沢山のことを学べるんだ。例えば、俺がちょっと曲を作ってフランクに見せたら、結局「Joe's Garage」に使ってくれた。そういう繋ぎ合わせが驚異的で、とても一緒に繋がるとは思えないような幾つかのギターパートを、すごくうまく合わせちまう。
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ただ、フランクのバンドはメンバーの出入りが激しい。もっと固定的なバンドが欲しくなったのと、もっと広い人たちに聞いて欲しくなったんだ。それで、テリー・ボジオと (当時の) 奥さんのデイルと俺とで、ミッシング・パーソンズを作った。ブロンディ、ザ・モーテルズ、ザ・カーズ (原文ではCardsだが、Carsのこと) みたいな当時の流行りの路線で、だが、フランク直伝の「ひねり」を加えてね。彼は100%バックアップしてくれた。出来たばかりのスタジオ「Utility Muffin Research Kitchen」も最初に使わせてくれて、そこでデビューアルバム「Spring Session M」(タイトルは「Missing Persons」の文字の並べ替えなのか) を作ったんだ。
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