トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイのベルリン三部作を語る (1/5)
ボウイの最新作「The Next Day」もプロデュースしたトニー・ヴィスコンティが、ボウイのベルリン時代の三部作「Low」、「"Heroes"」、「Lodger」について語っている。イギリス「Uncut」誌の2001年3月の記事より後半部分。
→ Uncut Interviews David Bowie and Tony Visconti on Berlin
ベルリンについて
- デイヴィッドはベルリンの生活が好きだったんだと思うよ。当時 (1976〜1979年)、世界中のどこにも、あんなファンタスティックな場所は他になかった。東西を分断する軍事地帯のぞくぞくするような緊迫感、ぎらぎらした奇怪なナイトライフ、極端に伝統的なレストラン、あちこちに残るヒトラーの遺物、ベルリンの壁から450メートル (500ヤード) にあるスタジオ。まるで「The Prisoner」の撮影セットの中にいるみたいだった。
「Low」
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アルバムを録音したシャトー・デルヴィーユ (Chateau d'Herouville) には、たしかに何か怪しい霊気があった。最初の晩、主寝室をのぞいたデイヴィッドは、「この部屋じゃ寝られない」って言い出して、隣の部屋で寝ることにした。主寝室は特に暗くて冷える一角にあって、窓が光を吸い込んでくみたいに見えた。私が、その部屋が気に入ったし、自分を試したかったんで、その部屋で寝ることにしたんだ。フレデリック・ショパンやジョルジュ・サンドの亡霊がって、何かフランス語で脅かしてくるのか?って思ってね。イーノは、毎朝早く、誰かが肩をゆするんで目が覚めるんだけど、目を開けると誰もいないんだ、って言い張ってたよ。
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ロバート・フリップは、ただクレジットされてないんじゃなくて、本当に参加してない。
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「Always Crashing in the Same Car」には元々は3番があって、デイヴィッドはそれをボブ・ディラン風に歌った。冗談半分だったんだけど、ディランが実際にオートバイ事故にあってるんで、悪趣味だなってことになった。それで、デイヴィッドに頼まれて、その部分を消したんだ。
ここに出てくる「The Prisoner」は、イギリスの1960年代後半のTVドラマで、日本では「プリズナー No.6」って題名で放映された。
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