トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイのベルリン三部作を語る (5/5)
ボウイの最新作「The Next Day」もプロデュースしたトニー・ヴィスコンティが、ボウイのベルリン時代の三部作「Low」、「"Heroes"」、「Lodger」について語っている。イギリス「Uncut」誌の2001年3月の記事より後半部分。
→ Uncut Interviews David Bowie and Tony Visconti on Berlin
ボウイ/イーノ/ヴィスコンティの三頭体制について
- うまく行ったのは、商売上の束縛を何も受けないことに、三人とも慣れてたからだろ うと思う。レコード会社のことも評論家のことも何も全く気にしなかった。スタジオのミュージシャンの気持ちをほぐして、根本から創造的な方向に持っていくのは難しいが、我々は逆だった。演奏技術もあったしね。何かを仕上げるのに無理やり頑張ったりしなかった。だから、仕上がったんだ。デイヴィッドとブライアンにとって、私は物事がうまく行ってるかどうかのバロメーターだった。私はニューヨークのブルックリンの出身で、彼ら (イギリス出身) とは文化的なバックグラウンドが全く違う。だが、創造性や芸術性ってことじゃ、少しも引けを取らない。
ベルリン三部作がポストパンク/アンビエント/エレクトロニカ/ワールドミュージックの礎石とみなされていることについて
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「Low」がそういう一つの基準点になるアルバムだってのは、リリースしてから気づいた。「"Heroes"」はその改良バージョンだ。「Lodger」は「Low」と「"Heroes"」への、創造的な方向からのカウンターだ。
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後追いのシンセ・バンドが「Low」と「"Heroes"」の猿まねをせっせと始めてたが、「Lodger」では電子音楽的なこともアンビエントなこともやめた。
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「Scary Monsters」は「三部作」の一つだとは思われてないが、三部作を作る内から学んだことの集大成、有終の美だ。ブライアンは参加してないが、影響は明らかだよ。
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どのアルバムが好きかは、その時の気分にもよるが、たぶん「"Heroes"」かな。
ちなみに、原文にある「New Yawk」ってのは、「New York」の誤植ではなくて、ニューヨーク訛りをからかった言葉。
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