ジェフ・バーリン、自らのキャリアを語る (その2) (1/4)

29 April 2013  |  Tags: Jeff Berlin, Bruford

「Innerviews」サイトの記事より、2002年、ソロアルバム「In Harmony's Way」を出した当時のインタビュー。色々と面白いことを語っていて、渡辺香津美やトニー・レヴィンなんかの話も出てくる。前に 2012/12/3 から 2012/12/24 まで取り上げた記事とは重ならないところを紹介する。

→ Innerviews: Jeff Berlin - Vision Quest


ソロアルバム「In Harmony's Way」について

  • もうフュージョンはやめた。自分にとって意味のある音楽じゃない。ロックやジャズのほうがいい。そして、ソロではジャズを追求することに決めたんだよ。創造性が最優先ってことでね。同じ曲を、その度に違うスタイルで演奏できる。それが広い意味で自分自身のためでもあるんだ。ジャズは偉大だね。

  • ベーシストは、メロディ的にもリズム的にも縛られてて、自由がない。たいがいのベース・ソロって、先が読めて冒険がないだろ。サックスやギターやピアノやトランペットは自由でいいよな。ソロアルバムでは、ベースギターでそういう自由を目指してるんだ。

  • ベースって楽器で新しい言葉を作り出そうとしている、って言ってもいい。まだ途中だけどね。そういうビジョンを、天性の能力で最初から持ってる人もいる。ジャコ・パストリアスとかゲイリー・バートンとか。今なら私も言える。「ようやくビジョンが持てるようになって、私の演奏は変わったんだ」って。ビジョンを持つこと、それがテクニックより何より大切なんだ。新しいアルバムがこれまでと違うのは、そこだ。以前はそんなことは言えなかった。これまでのアルバムに満足したことは一度もなかった。昔の演奏を聴くと、当時の自分がどんなだったか、思い出して、我ながら苦々しくなる。

  • 例えば、ブルフォードでの演奏は、当時としては意味があった、ってことでは気に入ってる。私は若造で、ハイテンションで騒々しいだけの、速弾きベーシスト (1,000-note bass player) だった。そういうのは、他にはスタンリー・クラークとジャコしかいなかった。私はその内じゃたぶん最も知名度が低かったけど、決して無名ではなかった。「超絶技巧」ってブランドになってて、世界中にフォロワーも沢山いた。ベースギターを持ったアスリート、みたいなもんで、目新しかったんだろう。だから、今はもう聴くに耐えないんだ。


この「ただの1,000-note bass playerだった。だから苦々しい」って下りは、インタビューの最後にどんでん返しがあるのだった (笑)。

バーリンはもうすぐ来日して、渡辺香津美 + ヴァージル・ドナティとライブを予定してるわけだけど、どういう路線でやってくれるんだろうね。

続く ›



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