ジェフ・バーリン、自らのキャリアを語る (その2) (2/4)
「Innerviews」サイトの記事より、2002年、ソロアルバム「In Harmony's Way」を出した当時のインタビュー。色々と面白いことを語っていて、渡辺香津美やトニー・レヴィンなんかの話も出てくる。前に 2012/12/3 から 2012/12/24 まで取り上げた記事とは重ならないところを紹介する。
→ Innerviews: Jeff Berlin - Vision Quest
渡辺香津美について
- 彼は最も感じの良い、最も親切な一人だね。その上、最も卓越したギタリストの一人だ。おそろしく耳が良い。彼とビル・ブルフォードと組んだトリオは、本当に興奮させられたよ。熱い時を共有できた。それだけじゃない。香津美は素晴らしい寿司屋を沢山知っていた。ビルも私も寿司が超大好きなんだ。しまいには、路地の奥とかの誰も知らないような小さな店にまで行った。日本社会の深層を体感したってところだろうな。九州じゃ旅館で純日本風のもてなしを受けた。西洋人は誰も知らないだろう。小川の上に建ってるんだよ。信じられなかった。彼とは沢山の楽しい時を過ごしたね。
渡辺は日本で演奏するのにアメリカ人を、音楽性よりも、ただ金儲けのために雇ったと批判する人もいますが。
- 自分のキャリアをさらに高めるのに、他のミュージシャンを使って何が悪い。例えば、アルバムにピアノを入れようって時に、そこに全く無名のピアニストとハービー・ハンコックがいたら、どっちを選ぶ? 自分の音楽活動を広く知らしめるために、有名な人の名前を借りるのは、ちっとも悪いことだとは思わない。ハービー・ハンコックはもちろん音楽性も傑出してるけど、彼のネーム・バリューも無視できない。ビジネスの面でも賢くないとね。なおかつ、アートに忠実であること。それは何も矛盾しない。香津美は誠実な人柄で、仲間を尊重する。彼は西洋音楽から、他のギタリストや音楽スタイルから影響を受けているが、それがどうした。彼は創造性に富んだ人間で、作曲家でバンドマスターだ。アメリカのミュージシャンに折々に仕事をくれる。文句を言う筋合いは何もない。
実際、ハービー・ハンコックは、例えばシンプル・マインズっていう (当時は) ニューウェイブ系のバンドのアルバムに飛び入り参加して、「あのハービー・ハンコックが」みたいな、バンドの良い宣伝になってたりする。たまたま隣のブースで彼が作業してたのを、バンドのプロデューサーが知り合いだったんで、声をかけたら、ほんの10分くらいチャラチャラッとシンセサイザーを弾いたんだそうで、おそらくノーギャラ。パーリンがそれを念頭に置いて引き合いに出したってわけではないだろうけど。
本筋からは外れるけど、「小川の上に建ってる旅館」。原文は「We were on a little river coming down from the mountain.」。小川を庭に引き込んでるのか、川岸からせり出して建ってるのか、それとも、ちょっと凝った日本庭園なのか。
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