ジェフ・バーリン、自らのキャリアを語る (その2) (3/4)
「Innerviews」サイトの記事より、2002年、ソロアルバム「In Harmony's Way」を出した当時のインタビュー。色々と面白いことを語っていて、渡辺香津美やトニー・レヴィンなんかの話も出てくる。前に 2012/12/3 から 2012/12/24 まで取り上げた記事とは重ならないところを紹介する。
→ Innerviews: Jeff Berlin - Vision Quest
ある高名なミュージシャンが、渡辺は真に独創的な音楽を生み出せる瀬戸際にいるのに、代わりに大衆路線を向いてしまっている、と言っていましたが、どう思いますか。
- 大半のミュージシャンは、それ (独創的な音楽) を諦めてしまってるんだよ。特にベーシストは誰もがだ。自分の成長はあるところで止めてしまって、後は同じ路線でキャリアを積み上げるだけだ。例えばヴィクター・ウッテンみたいに、ある意味、それを越えて成長するミュージシャンもいるがね。たいていの人は、いわば、50ヤード・ダッシュをするのに、あと数インチでゴールってところで止まってしまう。そこを越えれば独創的で全く違う音楽性が開けるって直前で止まってしまうんだ。なぜか。音楽で最も難しいのは、他の誰もやってない何かをやることだからだ。本当に難しい。だから、こう考えてしまう。「雑誌の表紙になって、インタビューを受けたりすれば、それでいいだろ。なんでそんな大変なことに挑戦しないといけない?」。
ビル・ブルフォードについて
- 今の私があるのは、全てビルのお陰だ。本当に敬服している。彼は全く無名だった私を音楽業界に引き入れてくれた。うまくやれたんで、彼にも刺激になったみたいだ。彼は、それまで音楽学校で教わってきたのとは違うやりかたで、音楽に接することを教えてくれた。ピアノに向かってコードを弾く。不協和音なんだ。教科書には、その2つの音を一緒に弾いちゃいけない、って書いてある。そう彼に言ったら、「けど、自分は気に入ってる」。たしかにそうだ。そのちょっとした出来事から後、私は根底から変わった。どうあるべきか、と、どう聞こえるか、なんだ。音楽学校での勉強は必要だ。だが、そうしたら、ルールを壊すんだ。どんな建物にも基礎が要る。音楽にもアカデミックな基礎が要る。それは客観的事実であって、アートとは違う。その上にアートが来るんだ。
後半は、まるで「守 破 離」そのままだね。ところで、「ある高名なミュージシャン」って誰だろ。
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