スティーヴ・ハケット、ギターを語る (2/7)
「Genesis Revisited II」を出して、こないだ来日したスティーヴ・ハケットだが、これはちょっと古くて、「Guitar International」サイトの2010年11月の記事より。自身の来歴とか使ってるギターとか、色々と語っている。
→ Guitar International | Steve Hackett Interview
リッチー・ブラックモアも、中近東の音階を使ったりしてますよね。
- そうだね。中近東の音階をバンドが使うのを最初に聴いたのは、「Shapes of Things」のジェフ・ベックのソロだと思う。あのフィードバック奏法も、多くのギタリストにすごい可能性を示した。自分にとっても、サステインってものや、全く違う音階があるってことを教えてくれた。中近東、スペイン、ムーア人 (アフリカ北部のイスラム教徒) の音楽やハーモニー、そういうアコースティックな音楽がエレクトリックな音楽にも影響を与えるんだってことをね。
ザ・ヤードバーズの「Still I'm Sad」は憶えてますか。
- もちろんだ。グレゴリオ聖歌みたいだったな。まだマルチトラック録音がなかった頃なのに、リバーブをよく重ねてた。何だかドラッグ漬けの修道士が歌ってるみたいだった。ドラッグが流行るより前だけど、当時、「Red Brau」(Red Barrelの間違い) って最強のビールがあって、彼らはいつもそれを飲んでばかりいた。
私は「Newcastle Brown」が好きでした。
- 「Newcastle Brown」は、ピーター・グリーンがいた頃のジョン・メイオールとブルース・ブレイカーズを見に行った時に、よく飲んでたよ。テムズ川のホリー島に古いホテルがあって、そういうバンドが沢山ギグをやってた。当時のジョン・メイオールは本当に絶好調だったし、ポール・バターフィールド・ブルース・バンドも素晴らしかった。最高のブルース・バンドだと思う。
音楽が一番楽しかった頃ですね。
- そうそう、とにかく素晴らしかった。ただ、残念なことに、ポール・バターフィールドはあまり知られてない。エリック・クラプトンはファンだったから、話を聞いてみるといいよ。だけど、1960年代にはあんなに偉大なギタリストが大勢いたのに、その後、ブルースは下火になってって、70年代には終わってしまった。時々、例外は出てくるけれども。
スティーヴィー・レイ・ヴォーンとかですか。
- その通りなんだけど、アメリカではブルースはずっと続いてきてて、今でも素晴らしいミュージシャンがいるんだと思う。私が思うのは、近頃は若手の飛び抜けたブルース・ミュージシャンにこの辺りで (イギリスで) お目にかかったことがないな、ってことなんだ。
ザ・ヤードバーズの「Shapes of Things」については、リッチー・ブラックモアも似たようなことを言ってる。下の「関連の記事」を見て頂きたい。それにしても、ここまでブルース好きだったとは、自分が聴いて知ってるスティーヴ・ハケットとは違う人物の話を聞いてるみたいな感じだ。
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