ロバート・フリップ、アンディ・サマーズと語る (5/16)
1984年、フリップとサマーズがアルバム「Bewitched」をリリースした時のラジオ番組を、ファンが録音してて、後から口述筆記 (テープ起こし) したものだそうだ。普通のインタビュー記事と違って、後から言葉を整理・編集したりしてないので、ある意味 (笑)、生々しい。すごくリラックスした雰囲気。
→ Elephant Talk | Interview with Robert Fripp and Andy Summers on WHFS 99.1 in Annapolis/Baltimore
1枚め (「I Advance Masked」) とこの2枚めは違いますよね。1枚めは、2本のギターが絡み合って、確かにデュオって感じですけど、2枚めは、前半はミニマルなダンス系、後半は融通無碍で、誰が何をやってるのか、よく判らなかったりします。どんなふうに役割分担したんでしょうか。
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サマーズ:ふむ。ある程度までは説明できるけど、全部は無理だな。
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フリップ:二人が対等だったって言ったら、嘘になる。私は、クリムゾンのツアーが控えてて、2週間半しかいられなかった。後はアンディに任せたんだ。だから、アンディの比重のほうがずっと大きい。
でも、半分のフリップでも無いよりはマシでしょう。
- フリップ:そうだな。比重が半々だって言ったら、それは正しくない。
それぞれの曲で一緒に弾いてる時に、何か本能的な方向付けとか、あったりしましたか。
- サマーズ:それがまさに私たちのやりかただ。例えば、ロバートが骨格を作ったら、私が肉付けするとか。どの曲もそうだってわけじゃないけど、まぁ、無難な言いかただと思う。ロバートは単音のメロディやポリリズムのリフを山ほど持ってくる。それに私がハーモニーを付けていくんだ。
以前に頂いた原曲のカセットには入ってないんで判らないんですが、後半の曲はスペイン風というかムーア風 (北アフリカのイスラム教徒) に聞こえるんですよ。
- フリップ:ハミングで来たか (たぶんインタビュアーが曲をハミングした)。
すごく印象的で、1本のギターがゆっくりアルペジオしてるところに、流れるようなギターが入ってきます。
- フリップ:私の最新のギター・チューニングだ。
曲の話に戻ると、なんて曲ですか。
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サマーズ:「Maquillage (マキアージュ)」。
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フリップ:え?
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サマーズ:そうなんだよ。
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フリップ:曲のタイトルはアンディが決める。私はちっとも知らないんだ。
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サマーズ:間違えやすいよな。アルバムを製作してる最中は、どうでもいい仮のタイトルを付けて、誰もがずっとそのタイトルで呼んでる。それが、アルバムを完成させる時には、正式なタイトルを付けることになる。混乱の元だ。
どういう意味ですか。
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サマーズ:フランス語だと思う。メーキャップの意味だよ。
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フリップ:へぇ?
わははー、「半分のフリップでも無いよりはマシ (Half of Fripp is better than none)」って。 「Half a loaf is better than none. (枯れ木も山の賑わい)」のもじりなんだけど、近来まれにみる名言かも。読んでて、思わず爆笑。このインタビュアー、実はただ者じゃないな (笑)。
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