エイドリアン・ブリュー、「FLUX」を語る (2/5)
再結成記念クリムゾン祭りのいちおう最後。とは言っても、ブリューは再結成組に入ってないので微妙だけれども、(ほぼ) 最新情報として紹介しておきたい。「Something Else!」サイトの2013年6月の記事より。
どんなプロジェクト体制なんですか。
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オランダのアムステルダムに「MobGen」って会社があって、そこのニック・ミューラーと一緒にやってる。オーストラリア出身の優秀な人物で、新しいテクノロジーのことは何でも知ってる。私のエンジニアのダニエル・ローランドと、ちょっと似たところがあるな。彼ら2人どうしで喋ってるのを聞いてると、外国語を聞いてるみたいだよ (笑)。
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これを考え始めた時、ダニエルに説明したら、「短い断片を沢山作ろうってことみたいだけど、どんなふうになるんだろ。何?それ」って言うんで、「二度と同じ演奏にならないレコードだよ」って答えたら、「そんなこと、できるのかな」。自分って、当り前のことにいつも気づかないんだよね。「たしかに、誰かが考えないといけないな」。それで、しばらく考えてて、ストリーミングが答えになるって判ったんだ。それを無料のアプリにすればいい。FLUXをまず一回は聞いてもらって、気に入ったら買ってもらう。30分くらいの長さで、それまでのどれとも違う、他の誰が聴いてるのとも違う、そういうユニークな音楽体験が、まさに聞き手自身のものになるんだ。
何年もかかったのも無理なさそうですね。
- ダニエルと2人で、ツアーの合間をぬったりしながら、3年かかった。変化する音楽、進化する音楽に自分もすっかり馴染んできて、もう他の人の音楽を聴いても、最初の1分半で飽きちゃうくらいだ。「もう判ったよ。次は何だ?」、そんな感じ。注意欠陥障害 (ADD) の人たちのための音楽かも知れないな (笑)。TV、そして近頃じゃインターネットのおかげで、世界中の大勢にとって、何ごとも長続きしないようになってきてるだろ。CMなんか15秒刻みだ。だから、今ふうの面白い代物で、聴いてもらう機会さえあれば、気に入ってくれる人がいるだろうと思ってる。
ちなみに、MobGenってのはこんな会社で、基本はモバイル・アプリを作ってるようだ。
ところで、話は違うけど、ビル・ブルフォードが英国サレー大学 (日本じゃサリー大学って書かれることもある有名校) から「音楽」の博士号を授与されたんだそうだ。テーマは「ポピュラー音楽の創造性につながるドラマーの文化心理学」(??) みたいなことらしい。博士号を持ったミュージシャンっていうと、天文学のブライアン・メイが有名だけど、こっちはまさに音楽博士だ。どっちもすごいな。
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