ロバート・フリップ、アンディ・サマーズと語る (11/16)
1984年、フリップとサマーズがアルバム「Bewitched」をリリースした時のラジオ番組を、ファンが録音してて、後から口述筆記 (テープ起こし) したものだそうだ。普通のインタビュー記事と違って、後から言葉を整理・編集したりしてないので、ある意味 (笑)、生々しい。すごくリラックスした雰囲気。
→ Elephant Talk | Interview with Robert Fripp and Andy Summers on WHFS 99.1 in Annapolis/Baltimore
クリムゾンでリーダーとして演奏するのに比べて、もっと気楽で自由にやれたんですか。
-
フリップ:クリムゾンじゃうまく演奏できたためしがない。
-
サマーズ:え、今のクリムゾンで?
-
フリップ:いや、いつだってそうだよ。
なぜですか。
-
フリップ:クリムゾンをバンドにする、それがずっとやろうとしてきたことなんだ。ただの4人の寄せ集めじゃない。それ自身がアイデンティティを持つようなね。1981年のクリムゾンが、その理想に最も近づいてたと思う。合点のいかないところも無くはないけど、可能性があった。だが、それから後は、そういうのにも不満が見えてきて、いわば、さらに高い自己表現を目指すようになった。そうすると、バンドではなくなって、個人が表に出てくるようになるんだ。
-
サマーズ:それは、どんなバンドでもそうだよ。何かを成し遂げたバンドなら必ずね。よくあることだ。それを受け入れようとせずに、悪く言ってるようだな。まぁ、続けてくんだろうけど、同時に、何となく閉じ込められたような気分になって、何か違うことで知られるようになりたいとか、何か違うことをやりたいとか思うようになるんだ。
ってことは、創造活動において多少の摩擦は役に立つけれども、ある一線を越えると、どんなに頑張っても成果が得られなくなる (diminishing returns。経済学の用語で収穫逓減) ってことでしょうか。
-
サマーズ:違うものが得られるようになるんだよ。
-
フリップ:個人主義ってことだよね。個人主義が出てくると、何もうまくいかなくなる。
-
サマーズ:だけど、最高のバンドって、どれも個人主義のかたまりじゃないか。
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る