ラルフ・ヒュッター、「Ralf & Florian」を語る (クラフトワークのアルバムを語る (2/10))
時たま思い出したように取り上げてるクラフトワークだけど、これはアルバムごとにラルフ・ヒュッターが解説を加えている記事。「Uncut」誌の2009年10月の記事が去年の「Retrospective」ツアーに向けてウェブにアップロードされたものなので、その時に紹介すればよかったかも。全8枚。
→ Uncut | Kraftwerk - Album by Album
「Ralf & Florian」(1973)
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当時はずっと2人でやっていた。後は、その度に違うスタジオ・ミュージシャンだ。マシーンで演奏する完璧なビートを探し求めて、何度も何度も試していたが、ちっともうまく行かなかった。同期が全く合わなかったんだ。
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我々はデュッセルドルフのビジュアルなアートシーンの近くにいて、それはクラフトワークにとって、すごく重要なことだった。絵画と音の風景を組み合わせた、つまり耳で聴いて目で見る音楽だったからだ。言葉で表現するのは無理だな。とにかく音楽を見るんだよ。
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当時はエレクトロニックな音楽が流行りで、ラジオでもアートシーンでも、よく聴いていた。育ったのはクラシックの「ベートーベンをお勉強するような」学校だったが、新しい音楽シーンが登場してきたのは判っていた。もちろんポップやロックもだ。だが、自分たちの音楽はどこにある? 自分たちの声を見つけないと。それにはテープレコーダーだ。そして、それまでに学んだ全てを捨て去ることにした。テープレコーダーとの出会いが、合成の音声、人工的な人格、ロボットのアイデア、全てに繋がっていったんだと思う。
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古い知合い、エミール・シュルトと、このアルバムのテープをいじっているところなんだ。次のインタビューの時は、それがネタだな。「Kraftwerk 1」と「2」、「Ralf & Florian」、それにライブ音源を1つか2つ、クリング・クラング・スタジオのアーカイブから何が出てくるか次第だ。だが、ほこりを払ってリマスターして、もう少し作業しないといけない。10年か20年後に現実になるような設計図、コンセプト、アイデアが満載だ。アルバムの海賊版も出たりしてるが、レコード盤から起こしたものだよな。テープを持ってるのは自分たちだけだ。
で、結局、この3枚のリマスター盤は未だに出てないのであった。
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