ラルフ・ヒュッター、「Autobahn」を語る (1/2) (クラフトワークのアルバムを語る (3/10))
時たま思い出したように取り上げてるクラフトワークだけど、これはアルバムごとにラルフ・ヒュッターが解説を加えている記事。「Uncut」誌の2009年10月の記事が去年の「Retrospective」ツアーに向けてウェブにアップロードされたものなので、その時に紹介すればよかったかも。全8枚。
→ Uncut | Kraftwerk - Album by Album
「Autobahn」(1974)
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「Autobahn」はアートの中で自分たちの場所を探し求めた結果だ。我々はどこにいる? ドイツ連邦共和国のサウンドは何か? 当時、まわりは英語の名前のバンドばかりで、ドイツ語を使ってもいなかった。我々がドイツ語ラップを発明したって言ってくれる人たちもいるが、正しくはラップではない。(ドイツ語で)「sprechgesang」、つまり、喋りを歌にしたものだ。喋りのリズムとサウンドから、音楽の背景と景色を作り出したんだ。
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これは自動車を歌った曲ではない。アウトバーン、つまり、道路を歌った曲だ。みんな忘れてるだろ。我々がいつもツアーで走り回っていた道路なんだ。大学から美術館へ、クラブから家へ、何十万キロもずっとだ。ホテルに泊まる金もなくて、ライブの後に家まで、真夜中も走り続けてばかりだった。くどいようだが、自動車を歌った曲ではない。アウトバーンを歌った曲だ。ロード・ムービー (旅と道中の様々な出来事を主題にした映画) に、ひねりを加えたものでもある。
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毎日、スタジオから家までアウトバーンを20キロ走る時、道路の白線が気になっていた。それに自動車の音、ラジオの音が加わって、ループのようにずっと続いていく。そういうのが、クラフトワークの無限に続く音楽の一部になっている。「Autobahn」の曲には、自動車の音、クラクション、単純なメロディ、エンジンの音を入れた。サスペンションとタイヤの空気圧を調整して、アスファルトの上で転がる音、白線の上にタイヤが乗った時の滑るような音も入れた。音による詩なんだ。同時に、すごくダイナミックでもある。
なんで「車の歌じゃない」ってこだわってんのかは、次回で明らかになる。
おおっ、クラフトワークの1970年のライブ映像が。ゾースト市でのライブで、TV番組「Rockpalast」で流れたものとのこと。
→ YouTube | Kraftwerk Rockpalast 1970 (Live in Soest, Winter 1970)
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