クリス・カトラー、ヘンリー・カウや即興を語る (7/11)
カトラーの公式サイトに転載されているインタビューで、元は「Traverses」誌の1999年の記事だそうだ。
→ Traverses | History, Cow, Texts, Improvisation - Interview with Chris Cutler
2000年1月にソン・ディヴァー (Sons d'Hiver) フェスティバルでやった「Le Signe de Trois」のことを教えて下さい。
- あれは特別だ。元はラジオのために作ったのを、ある人が舞台に移したんだ。推理小説、聖書のおふざけ、ジャン・ボードリヤール (フランスの哲学者) との対話、そういったもののごった煮だ。殺人があって、捜査があって、お決まりの結末がある。その一方で、聖書をちゃかしたり、ボードリヤールの「Simulations」へのコメントがあったりする。
芝居によるエッセイのようなものでしょうか。
-
いや、芝居によるアイデアの表現って言えるかも知れない。だが、難しいものじゃなくて、あくまでも娯楽だ。パズルでもある。二つの対話が互い違いに進行するんだが、一本の流れとしてみても意味が通じるようになっていて、どうとでも解釈できるんだ。
-
私が表したかったのは、何であれ、ただそこにあるだけじゃなくて、ちゃんと意味があるってことなんだ。いわゆるポストモダンなんかより、ずっとモダンだ。主題がちゃんとあるからね。そして、音楽があって、三人の役者が演じる。私が脚本を書いて、音楽をシュテヴァン・ティックマイエルと作った。
シュテヴァン・ティックマイエルや俳優のマリー・ゴヨッテと一緒にやるのは初めてではないですね。
- マリーとは、えっと、8年前からやってる。彼女がジョン・ローズの「shopping」プロジェクトに係わってた時からだ。それで、フランクフルト・ジャズ・フェスティバルに参加するために作ったグループP53にも加わってもらった。シュテヴァンは、もう20年来の仲間だ。振付けのジョセフ・ナッジュと一緒に、色んな即興のアルバムを作ってきた。最新のは、サイエンス・グループの「A Mere Coincidence」だ。
特にこの芝居のために書いたんですか。
- 自分ではまず英語で書いたんだが、その後、イタリア語やドイツ語に翻訳された。ドイツ語版はドルビー5.1サラウンドのデモにも使われたりしたよ。それで、シュテヴァンと俳優のクリスチャン・ジャーメインが興味を持って、舞台にしないかって言ってきたんだ。
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