マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (6/14)

05 August 2015  |  Tags: Mike Oldfield

「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。

→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger


いちばん面白い音が入ってるのは「Amarok」だと思いますが、あれは「Ommadawn」の続きだと思っていいですか。

  • ある意味ではね。あの頃、リチャード・ブランソンから「Tubular Bells II」を作れってプレッシャーが、ものすごくキツくてね。彼の共同経営者のサイモン・ドレイパーとスカッシュをした時に、その後でオレンジジュースを飲みながら、「続きを作ろうと思ってる」って言ったら、彼の耳がピクッと動いて、「え? 『Tubular Bells II』か?」って言うんだ。

  • けど、その時にはもうバージンと私との関係は、かなり冷え込んでた。アルバムは出してくれてたれど、もう何の興味も持ってもらえてなくて、代わりにセックス・ピストルズ、ボーイ・ジョージ、フィル・コリンズなんかをプッシュしてた。契約もとんでもなくて、印税は雀の涙、だけど、こっちからは変えられない。それでアルバムを13枚も作ることになってたんだ。

  • あの頃は、その縛りがもう少しで終わるところだった。私にはマネージャーがいなくて、自分でビジネスを進めないといけなくて、勉強したよ。じゃないと、海千山千の奴らにとことん吸い尽くされてしまうだけだったからね。「よし、バージンとの契約が終わったら、『Tubular Bells II』を作ろう」、そう思った。そうして、代わりに「Ommadawn II」を作ったんだ。

どうやって作ったか、少し教えて頂けますか。

  • 最初のアイデアはバオラーン (bodhran。アイルランドの太鼓) だ。そこに、「Ommadawn」でも歌ってくれたクロダー・シモンズとブリジット・セント・ジョンが加わった。そして、作曲は一切せずに、全て即興でやることにした。毎朝、プロデューサーのトム・ニューマンとスタジオに入っては、頭に浮かんだことを次々に録音していったんだ。まずバオラーンのリズム、その上にメロディを付けて、そしてクロダーに歌ってもらう。その繰り返しだ。

  • そうしたら、ケルト風の美しいものが出来てきたけれども、それじゃ物足りなくなってきてね。「ちょっとメチャクチャをやってみようか」(笑)、「足音もいいかも」、「歯を磨くのはどうかな」。当時、ヘリコプターの模型作りに凝ってたんで、それの音も使ったよ。それと、「Ommadawn」でも手伝ってくれたジャブーラだ。南アフリカのアパルトヘイトから逃れてきたドラマーたちで、100人くらいでスタジオにやってきて、歌ったりしてくれた。マーガレット・サッチャーが首相を辞めようとしてた時で、物まねも入れた。面白かったね。

  • これは一番5.1サラウンドにリミックスしたかったアルバムだ。ただ、デモ・バージョンはないんだよ。アルバムそのものが最初のバージョンだから。

「Amarok」は一番好きなアルバムですよ。

  • それはすごく嬉しいね、私もなんだ。

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