マイク・オールドフィールド、「Tubular Bells」以外を語る (12/14)
「Innerviews」サイトの2013年の記事より。2012年のロンドン・オリンピックの開会式に出演した話から始まっている。スペインのマヨルカ島でぐーたら過ごしてた師匠のケヴィン・エアーズを見習ってか (笑)、今はバハマのナッソーで悠々自適なのだそうだ。
→ Innerviews | Mike Oldfield - The Messenger
ギターのトーンが非常に特徴的ですよね。
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アコースティック・ギターでフィンガー・ピッキングを身につけてから、エレクトリック・ギターを習ったからだろうね。爪で弾いて、他の弦は他の指でミュートする。だから、すごくピュアな音になる。ピックで弾くと、他の弦も少し振動して、音が濁るよね。もう一つ、普通のロックギターのビブラート (弦と直角に指をゆする) じゃなくて、バイオリンと同じビブラート (弦を張った方向に指をゆする) を使う。それと、ケルト音楽の影響で、バグパイプみたいな装飾音をすごくよく使うんだ。
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私は一つ一つの音にエネルギーと感情を注ぎ込む。ことさら速弾きで印象づけようとは思わない。それに、色んなエフェクターを使う。昔から、ありとあらゆる変な箱を使ってきた。マナー・スタジオ (「Tubular Bells」を作ったスタジオ) のコンソール・デスクも買い取って、モジュールを流用したりしてた。だけど、今じゃAvidのElevenなんかで、何でも一発でできる。
作曲もギターでしますか。
- いや、全然。ギターで作曲したことは一度もない。「Tubular Bells」はほとんど、ホンキートンクみたいな音のするお祖母さんのアップライト・ピアノで作った。エレクトリック・ギターはほんの少しだ。だいたい、作曲に楽器はほとんど使わない。楽譜すら書かない。音楽が頭ん中に浮かんで、聞こえてくるんだよ。自分は何かを作るってより、何かを伝えてるだけなんじゃないかって気がしてくる。どこか無意識の奥底から音楽が湧き上がってくる、つまり妊娠して胎児が育って出産する、それを意識の側で受け取ってるだけなんだ。どうなってるのか、自分でも判らない。だから、ただ机に向かって作曲するなんてのは、最悪の苦行だ。良い音楽が浮かんでくるまで何ヶ月も、時には何年も待たないといけない。
記事の原題が「The Messenger (伝える人)」ってのは、ここから来てるのだね。優れた画家が、自分は紙に浮かび上がってくるものをただなぞってるだけだ、って言ったり、優れた彫刻家が、自分は石の中に埋まっているものをただ削り出してるだけだ、って言ったりするのと、似てるかも。優れたデザイナーは.....、いや、今はやめとこう (笑)。
今日のおまけ:
関係ないけど、こないだ妙なリストを見つけた。左利きなのに右利き用ギターを弾くギタリストたち。ロバート・フリップとキコ・ルーレイロは知ってたけど、他にもこんなに大勢いたとはね。左利きの程度にもよるとは思うけど。
- カール・ウィルソン、クリス・マーティン、クリス・レア、ダニー・ガットン、デイヴ・ホール、デイヴィッド・ボウイ、デイヴィッド・バーン、デュエイン・オールマン、エルヴィス・コステロ、ゲイリー・ムーア、井上 清信 (Inoran)、ヤニック・ガーズ、ジミー・レイニー、ジョン・ウェットン (ベースだけど)、ジョニー・ウィンター、マーク・ノップラー、マイケル・アンジェロ・バティオ (右利き用ギターなのか?(笑))、マイク・ブルームフィールド、マイケル・ヘッジス、ニック・ロウ、ノエル・ギャラガー、ポール・サイモン、プレストン・リード、スティーヴ・クロッパー、スティーヴ・モーズ、テッド・グリーン
さらに他にも、B. B. キング、ジョー・ペリー、ジョー・ストラマーとか、まだまだ一杯いる。なんだかそうそうたる面子じゃないか。
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