ドニー・マッカスリン、デイヴィッド・ボウイ「★」を語る (6/10)

17 September 2016  |  Tags: Donny McCaslin, David Bowie

デイヴィッド・ボウイの最後のアルバムでバックを務めたドニー・マッカスリンが、アルバム作りについて語っている。2015年10月31日のインタビューだそうで、「Uncut」誌2016年1月号に掲載されたもの。

→ Uncut | David Bowie: the Making of ★


  • 仕切るのはトニーだった。全体のプロセスは長くはかからない。ボーカルのことを3時間も話し合ったりはしない。デイヴィッドは何をどうしたいかちゃんと判ってるし、それをトニーが技術的にサポートする。デイヴィッドは自分のパートを素早く仕上げるだけじゃなく、我々の演奏を、オーバーダブも含めて何もかもよく聴いて、全体をしっかり把握してた。テイクも1つかせいぜい3つ、それで出来上がりだ。最初の週に集まった時、デイヴィッドが「`Tis a Pity She Was a Whore」を録音し直したいって言うんで、頑張ったら、たしか最初のテイクで10分で終わった。

  • 「Sue」を録音し直したのが、一番長くかかったな。元のバージョンはマリアのオーケストラ向けだったんで。なので、デイヴィッドに言ったんだ。「私たちが仲間うちでジャムってるところに、デイヴィッド・ボウイが歌で入ってきて、それでセクションごとにキューを出し合う、みたいなオープンな雰囲気はどうです?」。そして、1つ2つ試してみたけど、どうもうまく行かない。私はオーケストラの譜面に戻って、クラリネット、アルト・フルート、テナー・サックスのパートだけに絞ることにした。翌朝、「トニー、『Sue』のアイデアが浮かびましたよ」って言って、やってみたら、皆に完璧って思ってもらえた。あとは皆をもっとオープンに、もっとエッジを効かせて、もっとルーズにし向けることだった。


このへん、下の「関連の記事」にある「事前の勉強」のおかげなんだろうな。

ところで、とっくにニュースが広まってるけど、ボウイがマッカスリン達と生前最後にレコーディングした3曲、「No Plan」、「Killing a Little Time」、「When I Met You」が、ミュージカル「Lazarus」のサウンドトラックの一部 (付録) として発売される。

→ Sony Music | デヴィッド・ボウイ、生前最後のスタジオ・レコーディング音源3曲を収録した作品『ラザルス』を10月に発売!!
→ Amazon | Lazarus - Original New York Cast

このミュージカルは、映画「The Man Who Fell to Earth」の続編って筋立てだそうで、ニューヨークでは昨年12月7日から今年1月20日まで上演されて (当初の予定は1月17日までだったのが、大好評で延長された)、ロンドンでは10月末から上演される。ちなみに、去年12月7日のこけら落としが、ボウイが公に姿を現した最後になった。また、ニューヨーク市は1月20日を「David Bowie Day」(デイヴィッド・ボウイの日) に制定したんだそうだ。

→ Lazarus (Musical at the Kings Cross Theatre)

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