ケヴィン・ゴドレイ、音楽ビデオを語る (1/6)

25 December 2016  |  Tags: Kevin Godley

— ロルと私はもう人前で演奏したくなくてツアーをやめてたんで、自分たちも音楽フィルムを作ってみようかって思った —

元10ccのメンバーで、その後は同じ元メンバーのロル・クレムと組んで1980年代に音楽ビデオ制作で一世を風靡したケヴィン・ゴドレイが、2015年に自伝「Spacecake」をインタラクティブ・ブックとして出版した。そのプロモーションも兼ねて、色んなインタビューに応じてるので、その内からノルウェーの「Blackmoon」サイトの2015年7月の記事より。

→ Blackmoon | Kevin Godley - Spacecake


ケヴィン・ゴドレイ、ジ・イノベーター、ですか?

  • ケヴィン・ゴドレイ..... ジ・イノベーター.....(笑) なんだかB級映画のタイトルみたいだね。

10ccが軌道に乗って業界の様子が判ってきた頃、最初から音楽ビデオに注目してたんですか。

  • 音楽フィルムは一番最初の頃から知ってたけど、それは今の音楽ビデオとは違うものだった。「The Old Grey Whistle Test」とか「Top of the Pops」の (イギリスの) 音楽番組は、ミュージシャンが都合で出演できない時、短いフィルム映像を流してた。(宣伝のための) ビデオが本当に始まったのは、1978年か79年か、突然に意味を持つようになったんだ。

自分たちならもっとうまくやれるとか思いましたか。

  • あはは、そんなことはないよ。何から始まったかっていうと、「An English Man in New York」って曲、スティングの曲とは別だけど、それを書いた時、世の中で短い音楽ビデオが作られてるのを知ったんだ。

  • ロルと私はもう人前で演奏したくなくてツアーをやめてたんで、自分たちも音楽フィルムを作ってみようかって思ったんだけど、しばらくはそのままだった。その後、アイデアを絵コンテに描いてみたら、何だか変てこなものになったんだけど、ダメ元でレコード会社に持ち込んでみたら、いいよ、金も出すよ、って話になった。ただし、ちゃんとディレクターを付けるって条件でね。

  • その頃は (上で言ってたような) フィルムと (宣伝用の) ビデオの違いも判ってなかったけど、作り始めたらすぐに、「うわぁ! こりゃ面白いや!」っ感じになった。まるで、それまで気づいてなかったスイッチがオンになったみたいだった。アートスクールを出た後、音楽にずっと集中してた頃にはオフになってたスイッチがね (ゴドレイとクレムはアートスクール時代からの親友)。それがまたオンに戻ったんだ。ビジュアルなものを作る感覚が突然戻ってきたんだよ。まさに水を得た魚だった。


「Spacecake」は現在はiTunes版のみ。Amazon Kindle版も計画中だそうが、機能に差があるので、いつになるか判らない。

→ iTunes | Kevin Godley - Spacecake (2015)

ちなみに、並行してキース・ムーンの話が進行中だが、住処のタラをムーンから1975年に買ったのがこのゴドレイだそうで、彼はそれを1990年にヴィンス・クラーク (元デペッシュ・モード他) に売った。

今日のおまけ:

続く ›



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