ジェフ・ベック、キース・ムーンを語る (15/17)
キース・ムーンの伝記「Dear Boy: the Life of Keith Moon」の著者が、原稿の元になったインタビューを幾つかウェブに掲げてて、その一つ。1996年とのこと。
→ Tony Fletcher's iJamming! | Jeff Beck on Keith Moon
-
スピークイージーは、俺たちにとって特別な場所だ。ただのレストランとか飲み屋じゃない。嫌なことを何もかも忘れて、ヒステリックに喋りまくる場所なんだ。あんなとんでもない場所は他にどこにもない。何もかも上手くいってても、天気が良くても、仲間がいなくても、それでも俺たちはあそこに飲みに行く。ジミ・ヘンドリックスが演奏する、エリック・クラプトンが演奏する、最先端を気取った奴らの天国だ。店を出る時には、入った時よりも必ず良い気分になってる。
-
キースを最後に見たのは、あるクラブの出入り口ですれ違った時だ。予想外だった。「あれ? キース?」、「いつもどこにいるんだよ」、「ロジャーんちの近くに引っ越したんだ」、「ロジャー・ダルトリーのことか? すごいじゃないか」。
-
ウォーダー (Wardour) 通りをパープルのロールスロイス (あれ? ピンクでは?) で走るような時も、ザ・グーン・ショー (イギリスのお笑いラジオ番組) のギャグ全て、聞ける限りのあらゆるアホ話を、何もかもあの狭い空間、あの短い時間に凝縮したみたいな感じで、バカ笑いしっぱなしだ。異常だよ。しかも、そこには意味のある話はいっさい何もない。ジョークがただ雨あられのように降り注いでくる。それを俺は「この言葉は憶えとこう」とか思うわけだ。キースは、それがどんなに可笑しいか、判ってないからな。こっちの人間が変わっちまうくらいなのに。一方で、「これにどこまで耐えられるかな」って気にもなってくる。あいつと一緒じゃない時とで、こっちのテンションが違いすぎて、ヤバすぎるんだ。それくらい強烈なんだよ。
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る