スティーヴ・リリーホワイト、U2「Boy」を語る (自ら代表作を語る (3/8))
「MusicRadar」の2011年2月の記事より。プロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトが代表的な仕事として16枚のアルバムを選んだ内から抜粋。第3回はU2「Boy」(1980年)。
→ Production Legend Steve Lillywhite on 16 Career Defining Records
- バンドはプロデュースを元々、ジョイ・ディヴィジョンと仕事していたマーティン・ハネットに頼みたかったんだが、ヴォーカルのイアン・カーティスが自殺してしまってね。マーティンが自分は適任じゃないって考えて、それで、俺に回ってきた。彼らの演奏を見て、1曲、「Stories for Boys」を作ってみたら、気に入ってもらえたんで、アルバムを作り始めた。今じゃ変な話だけど、当時の彼らは成功するなんて、とても思えなかった。エコー・アンド・ザ・バニーメンやザ・ティアドロップ・エクスプローズなんかと比べるとね。一言、イケてなかったんだ。だが、俺は彼らのサウンドが何より好きだった。彼らの精神が好きだった。彼らは勝つことなんて考えてなかった。負けないことばかり考えてた。自分たちの限界が痛いほどよく判ってたんだ。だが、諦めなかったんだよ。ボノの声は衝撃的だったね。彼をロック・シンガーだって思ったことはない。フランク・シナトラがエレクトリック・ギターをバックに歌ってるみたいなもんだ。ジ・エッジがこんなギター・ヒーローになったってのも、信じられないな。だって、あの頃はギターを1本しか持ってなかったんだぜ (笑)。けど、それで大したことをやったんだ。
次回もU2の予定。
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