スティーヴ・リリーホワイト、ザ・ラーズ「The La's」を語る (自ら代表作を語る (6/8))
「MusicRadar」の2011年2月の記事より。プロデューサー、スティーヴ・リリーホワイトが代表的な仕事として16枚のアルバムを選んだ内から抜粋。第6回はザ・ラーズ「The La's」(1990年)。
→ Production Legend Steve Lillywhite on 16 Career Defining Records
- アルバムを聴くと、なんだかスタジオで盛大なパーティでもやってるみたいに感じると思う。だが、作るのは、そんな楽しいもんじゃなかった。どの曲も完璧な宝石だ。だが、それを録音するのはやさしくなかった。リー・メイヴァース (バンドのソングライター) の頭ん中には曲の青写真があるんだけれども、まるでクスリでラリってるみたいに、彼を翻弄するんだ。6曲、素晴らしい録音が出来てたとする。で、7曲めで何かちょっとうまくいかなかったとする。すると彼は、何もかもダメだって思い込んじゃって、すべて最初からやり直しなんだ。アルバムがただの曲の寄せ集めじゃなくて、一つのまとまったアートだってのは、それは間違ってない。けど、そのせいで物事が終わらないってなったら、それは問題だよな。ま、それはさておき、これまで一緒に仕事したソングライターの誰と比べても、リーは引けを取らない。恐るべき才能だ。このアルバムは時代を越えてる。
ちなみに、業を煮やしたレコード会社は、最後はリリーホワイトに一人でアルバムを仕上げさせたんだそうだ。
次回はフィッシュの予定。
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る