エディ・ジョブスン、過去30年を語る (10/16)
ジェスロ・タルにゲスト参加したり、ちょっとソロアルバムを作ったりした後、いわゆる「音楽界」の表面からはほとんど消えてしまって、数年前にUKZで蘇ってきたエディ・ジョブスンが、ある意味で最も充実していたその30年間について語っている。「Dutch Progressive Rock Page」ってオランダのサイトの2011年8月の記事より。ジョブスンのインタビューはすごく貴重だが、そうとう長い。
→ Dutch Progressive Rock Page - Interview with Eddie Jobson (UKZ / U-Z)
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音楽を小売することから完全に離れたつもりはないが、この先、またアルバムを作るかどうかは判らない。もう役に立たないと思うんだ。例えば、私の息子は18歳で、音楽が大好きだけれども、アルバムは一枚も買ったことがない。それでも、ストラヴィンスキー、フォーレ、マーラー、ボビー・マクファーリン、キング・クリムゾン、ジミ・ヘンドリックス、ザ・ビートルズ、恐ろしい量のコレクションを持ってる。全てiTunesで一曲ごとに買ってるんだ。実際には、私のZealots Loungeにも「商品」ページはあるが、利益は得ていない。コストをカバーしてるだけだ。「ダウンロード」ページは、まだ何もない。
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U-Zのライブアルバムのリミックスを進めてるのは、こういう理由だ。最初のミックスは独りで作業したが、ヘッドフォンで聴くとホールに座ってるかのように聴こえる、そういうライブな効果を狙ったんだ。コンサートを聴きに来れない人も、トニー・レヴィンやジョン・ウェットンを見たことがない人も、世界中に沢山いるからね。私自身はライブの雰囲気がうまく出せたと思ってた。だが、他には誰もそう思ってくれなかったんだ。「海賊盤みたいな音じゃないか」、そう大勢に言われた。海賊盤なんかじゃない。ホールの音響効果を再現してるのにだ。わざとらしいスタジオっぽい音質を避けたんだが、リスナーはそういうライブアルバムの音質、例えばピンク・フロイドの「Pulse」みたいな音に慣れてしまってる。まるでスタジオで全て再レコーディングしたみたいな音だろ。コンプレッサーを強くかけて、ドライな音にして、リバーブをわざと多くする。それが「良い音質」だと思い込んでるんだ。私はそれに気づかなかったんだよ。
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一部の人たちが「音質が悪い」って意見を広げ始めたのには参った。実際には良い音質でレコーディングしてるのに。それで、こういうミックスは良くないのかも知れないな、って考えることにした。だが、「Starless」でメロトロンがホールに響き渡るところとか、鳥肌が立つだろ。そういう感情に訴えるのが重要なんだ。うまくリミックスしないと、そういうマジックが失われる恐れがある。スタジオ音質に改めて、なおかつ感情に訴えるライブの興奮を保つのは難しい。それを今やってるんだ。パッケージも「デラックス」にする。
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ちなみに、この今のアルバムは、Zealots Loungeと、あとKing Crimsonのウェブサイトくらいでしか手に入らない。日本でだけはCDを発売した。大成功だったよ。Amazonアルバムチャートで3位まで行って、ベスト20に何ヶ月も留まったんだ。
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