スティーヴ・ヴァイ、フランク・ザッパを語る
「5人のギタリスト、フランク・ザッパを語る」っていう「Guitar Magazine」誌の1994年2月、ザッパが亡くなった直後の記事が、2010年8月に「Guitar International」サイトに転載されたもの。ウォーレン・ククルロ、マイク・ケネリー、ドゥイージル・ザッパ、エイドリアン・ブリュー、スティーヴ・ヴァイの5人が、バンドに加わったきっかけやザッパへの思いなどを語っている。
→ Guitar International - Frank Zappa’s Guitarists: Interviews with Five Guitarists of the Zappa Kind
-
フランクとは沢山の曲をやったけど、即興は一つもない。全てフランクの作品だ。一緒にいると、強烈な個性にいつも圧倒されてた。彼から吸収したことが、今の俺の創作力になってる。彼が曲を作るのを見ていると、驚異的なんだ。圧倒的って言ってもいい。あまりに巨大なんで、俺自身の創作力なんてボロボロにされちまう。何にもとらわれない。思うがままに、思いつくままに、進めていく。彼のインスピレーションは単純で直観的なんだよ。それが俺の学んだことだ。単純に、とにかく単純に。
-
フランクとツアーしてた頃、俺は精神をやられてた。ちゃんと食べることができず、病んでた。19歳の頃だ。しょっ中ふざけてばかりいて、仲間の誰からも相手にされなかった。プレッシャーで潰れそうになってたんだ。とてつもなく難しい音楽で、ミスしないように頑張っても、ミスが避けられない。常に練習してないといけない。だが、本当は全て俺の神経症のせいだ。フランクは俺を家に帰すだろうと思ってた。なぜ彼がそうしなかったのか、よく判らない。
-
ギターについて言えば、生まれつきタイム感を持ってる人もいれば、頑張って身につけないといけない人もいる。フランクと仕事を始めるまで、それが判らなかった。彼が俺に曲をぶつけてきても、俺は「よく分かりません」としか答えられない。よく俺をクビにしなかったと思う。「他の奴を探すから、もういいよ」って言わなかったのが驚きだ。代わりに、辛抱強く説明してくれるんだよ。フランクの音楽が大好きだ。彼の音楽を演奏するのが大好きだった。彼の音楽を学ぶのが大好きだった。フランクから学んだ最も大事なことは、高潔であること、そして誠実であることだ。
心を病んでた時期のことは、2012/7/31 の記事でも語ってる。よっぽどキツかったらしい。
関連の記事
- 2017/8/14 - フランク・ザッパ、スティーヴ・ヴァイを語る
- 2017/8/16 - スティーヴ・ヴァイ、フランク・ザッパのオーディションを語る
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る