デイヴィッド・ボウイ、ベルリン三部作を語る (6/8)
2013/3/30 から 2013/4/6 まで紹介したプロデューサー、トニー・ヴィスコンティの記事と対になってるインタビュー。ボウイ自身が、ベルリン時代の三部作「Low」、「"Heroes"」、「Lodger」について語っている。イギリス「Uncut」誌の2001年3月の記事より前半部分。
→ Uncut Interviews David Bowie and Tony Visconti on Berlin
「"Heroes"」のアルバム・ジャケットは、ヴァルター・グラマッテの自画像、エーリッヒ・ヘッケルの「Roquairol」、どちらから来ているのでしょうか (二人ともドイツ表現主義の画家)。2つの説があるようですが。それと、ヘッケルの絵画はイギーの「The Idiot」のアルバム・ジャケットにも結びついていますか。
- ヘッケルの「Roquairol」、それと彼の1910年頃の「Young Man」という絵から、画家としての私はものすごく大きな影響を受けた。グラマッテは好きになれない。どうも中身がなくて、薄っぺらいんだよ。あのジャケットはヘッケルだ。
イーノが言うには、レコーディングの間中ずっと、二人でピーター・クック (イギリスのコメディアン) とダドリー・ムーア (イギリスの俳優) の口まねをしてて、笑いっぱなしだったそうですが。
- 二人で笑い合ってたのは確かだけど、「ずっと」ってのはちょっと大げさだな。けど、二人でピーターとダドリーの口まねをやるのは、とてもうまく行ったよ。ロンドンのある交差点でジョン・ケージの「prepared layer」について延々と語り合う、みたいなね。ほんと、バカみたいだった。
「Blackout」は、あなたがベルリンで気を失ったこと、ニューヨークの1977年の大停電、どっちのことでしょうか。両方の説がありますが。
- 停電のほうだよ。ニューヨークのって断言はできないけど、俺の頭ん中にそういうイメージがこびり付いてたんだ。
「V-2 Schneider」はクラフトワークのフローリアン・シュナイダーへのトリビュートですか。
- もちろんだ。
ヘッケル「Roquairol」、ボウイ「"Heroes"」、イギー・ポップ「The Idiot」の関係は、こんなまとめが判りやすそう。これは、ボウイのポーズの元ネタがエゴン・シーレって説もあるけど、本人はヘッケルだって言ってる、ってことでまとめたものだそうだ。右上がヘッケルの絵。
→ Tumblr - Schiele (Clockwise: Heroes by David Bowie, ...)
「"Heroes"」のジャケットは、こないだ出した「The Next Day」のジャケットで自ら換骨奪胎しちゃってるわけで、ジャケットにも中身にも、ボウイ本人も思い入れがあったんだろう。
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