アンディ・サマーズ、ザ・ポリスの音楽を語る (4/9)
ザ・ポリスのギタリストとして有名なアンディ・サマーズだけど、1960年代からソフト・マシーンやジ・アニマルズに参加してたり、ザ・ポリスの解散後はソロで活動してるし、文筆家や写真家としても評価が高い。「Guitar International」サイトの2010年3月の記事より。すごく長いので、主だった部分を抜き出して紹介する。
→ Guitar International - Andy Summers Interview: Guitars, the Police and Mudra Hand Gestures
様々な音楽活動は、ザ・ポリスにはどのように役立ちましたか。
- 最初、スチュワートは22歳、スティングはたしか23くらいで、私はスチュワートより10だけ年上だった。私はそれまでに幾つもバンドを渡り歩いてきてたし、なので、バンドとして良い音が出せるように、物ごとを調整したり、バランスを取ったり、そういう役目だった。それまでクラシック・ギターをやってたし、大学に通ってたし、それがエレクトリック・ギターに戻ってきたんで、やる気満々だった。あとどれくらいギターでやっていけるか判らなかったんで、必死だったって言ってもいい。ただの「バンドの一員」になるつもりはなかったんで、ザ・ポリスはまさに私にとって転機だったんだ。他の二人もそうだったが、とにかく成功させたかった。やれる限りのことをやった。
バンド活動とソロ活動はどう違いますか。
-
どっちも同じように楽しいが、位置づけが違う。ザ・ポリスの再結成ツアーは、心底から熱中したし、楽しめたし、「戻ってきた」、そんな懐かしい感じだった。自分のバンドじゃ、曲作りも全て自分だしソロも全て自分だけど、「ロックバンド」じゃ、自分のパートをきっちりこなした上で、パートどうしの応酬をして、全員でさらに違うものを目指していく。挑戦を受けたり技量や経験を試されたり、そんな感じが本当に楽しいんだ。
-
ザ・ポリスの久々の再結成ツアーでは、ただ軟弱に昔のヒット曲をなぞるだけじゃいけない。強烈にぶちかまして、改めて誰をも打ちのめさないといけない。そういう姿勢で臨んだ。バンドが休止してた間も、すごい数のギグを重ねてきてたわけだから、そういったギグやレコーディングの経験を全て注ぎ込んだ。テクニカルな面では、これまでで最高の音が作れたと思う。
-
あえて言うなら、ちょっとばかり負の面が一つだけあった。同じセットリストで何度も何度も何度もやってると、少し飽きてくるんだよな。それまでずっと、毎晩違うセットリストで、その度に違う即興で、リハーサルもなしでドラマーと合わせながら、曲がどうなっていくかも判らない、そんなふうにやってきてたんでね。巨大で金のかかったショーじゃ、そんなことはできないよ。
-
だが、たいていの人は判らないと思うけど、ある意味、いつもギリギリの勝負だった。イヤホンで8ビートを聞きながら、ジャストなタイミングで例えば「Message in a Bottle」に入ってかないといけない。はずしたら、全てぶち壊しだ。全力で演奏する、ソロを弾きまくる、そういうのと同時に、タイミングを正確に合わせながら、かつ、ショーを盛り上げる。つまり、何千もの観衆の前で、1時間半ずっと秒単位でこなしていく。それには恐ろしい集中力が要るんだ。
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る