アンディ・サマーズ、ザ・ポリスの音楽を語る (5/9)
ザ・ポリスのギタリストとして有名なアンディ・サマーズだけど、1960年代からソフト・マシーンやジ・アニマルズに参加してたり、ザ・ポリスの解散後はソロで活動してるし、文筆家や写真家としても評価が高い。「Guitar International」サイトの2010年3月の記事より。すごく長いので、主だった部分を抜き出して紹介する。
→ Guitar International - Andy Summers Interview: Guitars, the Police and Mudra Hand Gestures
他のギタリストと共演するのは、どうですか。
-
多くの人はリックやソロにばかり熱心で、タイム感を鍛えてない。びっくりするよ。他のギタリストと共演する時に、一番重視するのは、タイム感を持ってるかどうかだ。だけど、そういう人は、思ってる以上にほんの少ししかいない。たいていはYouTubeとか見ながら、タッピングだのあれやこれやを懸命に練習してる。だけど、実際に音楽をやる時は、タッピングやソロばかりじゃないだろ。相手に合わせて、ベストなタイミングでコードを弾く、それが本物のミュージシャンだ。彼らはそれが出来ない。彼らは速弾きばかり頑張る。だが、きっちりリズムを刻むことができない。だから、結局、音楽が作れないんだよ。
-
私が共演する相手は、だいたいオールラウンドなミュージシャンだ。ソロもできるが、他のことも完璧にこなす。今までで最高だった内の一人は、ラリー・コリエルだ。彼との共演は、実に美しかった。学ばせてもらった。彼とツアーした時、音楽のセンス、タイム感、その裏にあるパルス、そういったことが本当に感じられた。
-
ほとんどの人は、それが判ってない。「即興って、どうやるんですか?」、そんなことばかり聞いてくる。答えは決まってる。「フォームを学んで、頭に焼き付けるんだ。そうすれば、何でも弾けるようになる」。彼らは正しいスケールとかコードにばかりこだわる。だが、そんなことは、タイム感とフォームを身につけて次の段階に進んだら、どうでもよくなる。音楽にそういう全く別の側面があるってことは、子供には判らないだろうな。
-
ロックのソロだって、そうだ。タッピングとか、陳腐なダイアトニックとか、16thとか、そんなのばかりだが、本当のソロは、もっと抽象的なものだ。タイムから出たり入ったり、タイムをねじ曲げたりして、最後はちゃんと戻ってくる。そういうソロがやれるのは、エディ・ヴァン・ヘイレンみたいな天才以外にはいない。
関連の記事
- 2012/3/1 - リッチー・コッツェン、エドワード・ヴァン・ヘイレンを語る (30人のギタリスト、30人を語る (16/30))
- 2012/7/29 - ジェフ・ベック、1980年代の速弾きギタリストを語る
最近の記事
- 2023/7/29 - ロバート・フリップ、イーノやボウイやクリムゾンを語る (1/4)
- 2023/1/22 - ジェフ・ベックを語る
- 2019/9/21 - トーマス・B・W・ベイリー、日本のインディー系レコード店を語る (1)
- 2019/9/13 - ジョン・ポール・ジョーンズ、ジョン・ボーナムを語る
- 2019/4/27 - ラルフ・ヒュッター、過去をふり返る (1/3)
- 2018/8/2 - パトリック・オハーン、フランク・ザッパなどを語る (1/4)
- 2018/5/23 - トニー・ヴィスコンティ、T・レックス「Electric Warrior」を語る (キャリアを語る (1))
- 2018/4/16 - ドゥイージル・ザッパ、アラン・ホールズワースを語る (1/2)
- 2018/1/11 - デイヴ・グロール、ジミー・ペイジ&ロバート・プラントと語る (1/7)
- 2018/1/7 - アラン・ホールズワース、ファンの質問に答える (1/4)
人気の記事
- 2016/1/26 - トニー・ヴィスコンティ、デイヴィッド・ボウイを語る
- 2015/12/1 - 色んな関係者、ジェフ・ポーカロを語る (1/3)
- 2014/9/8 - ロバート・フリップ、「キング・クリムゾンの掟」を語る
- 2013/9/9 - コージー・パウエル、デビュー当時を語る (自らのキャリアを語る (1/12))
- 2013/2/9 - ラルフ・ヒュッター、クラフトワークの音楽を語る (1/4)
- 2012/7/4 - エドワード・ヴァン・ヘイレン、スティーヴ・ルカサーと語る (1/14)
- 2012/6/1 - スコット・ハルピン、キース・ムーン代役事件を語る (1/2)
- 2012/5/11 - テリー・ボジオ、エイドリアン・ブリューを語る
- 2012/3/31 - 記者、リッチー・ブラックモアを語る
- 2012/1/15 - スティーヴ・ヴァイ、ヴィニー・カリウタを語る