トニー・レヴィン、新生キング・クリムゾンを語る (8/11)

04 August 2016  |  Tags: Tony Levin, King Crimson

キング・クリムゾンのモントリオール公演に先立って、「Montreal Gazette」紙に載った2015年9月の記事より、二部構成になっている前半。なお、後半のギャヴィン・ハリスンは、2015/12/15 から紹介した。

→ Montreal Gazette | King Crimson's Tony Levin and Gavin Harrison: the Complete Conversation


エイドリアンとのクリムゾン・プロジェクト (Crimson ProjeKCt) (レヴィンのスティック・メンとブリューのトリオが合体したバンドで、やはりクリムゾンの過去の曲を演奏する) はどうなるんでしょうか。

  • 本家のキング・クリムゾンが復活したので、もうやらないと思う。ロバートが新しいラインナップで復活させるって決めた時、クリムゾン・プロジェクトは新しいツアーを始めてたが、もう場違いな気がしたんだ。クリムゾン・プロジェクトは気に入ってるが、そういうバンドが同時に2つあるのは良くない。クリムゾン・プロジェクトがこの先どうなるかは判らない。もっとも、キング・クリムゾンもこの先どうなるかは判らない。

それを、首を左右に振り壁を叩きながらでなく、微笑みながら言えるってのはいいことですね。長年バンドにいる内に、そういう心境になったんですか。

  • 長年バンドにいるのは確かだが、同時にずぅーっとミュージシャンもやってきてる。地球の温暖化が始まる前からね。音楽「産業」って言葉は好きじゃないが、音楽は産業化して、ミュージシャンもただの職業だ。例えば、来年の春にツアーをやるって言ったら、それはツアーをやる可能性が85〜89パーセントくらいあるって意味なんだ。51パーセントでもいい。色んな要因でツアーがキャンセルになるって状況に慣らされざるをえない。面倒だから、そう言わないだけなんだ。

  • なので、どんなバンドにいてどんな今後の話が出てきても、先は判らないって判ってる。チケットの売上げ、レコードの売上げ、メンバーの健康状態、メンバーの係わり合い、色んな要因がある。今のキング・クリムゾンはずいぶんシンプルだよ。メンバー誰もがバンドを最優先にしてる。だが、どのバンドもそうだとは限らない。他のバンドと掛け持ちしてるメンバーがいることだってある。以前の私自身がそうだった。キング・クリムゾンとピーター・ゲイブリエルのバンドを掛け持ちしてた。ピーターのツアー中にロバートから連絡があったら、「ピーター・ゲイブリエルのツアーが終わるまで無理です」って答えるしかない。今はピーターは時たま短いツアーをするだけなんで、キング・クリムゾンを最優先にできる。そして、クリムゾンのツアー中にピーターから連絡があったら、「無理です」って答えるんだ。


多くの人には「それ誰?」だろうけど、 柳瀬尚紀まで亡くなってしまったよ。ロックとは関係ないけど、本当に残念。

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