色んなギタリスト、アラン・ホールズワースを語る (3/8)

01 July 2017  |  Tags: Allan Holdsworth

4月に亡くなったアラン・ホールズワースには、数多くの弔辞が寄せられた。これはそれらとは違って、生前の本人に色々なギタリスト (など) が送った讃辞を、ファン有志がまとめたもの。元々はほとんどどれも10年以上前のものだと思う。

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ジョージ・ベンソン

  • 衝撃的だった。ギターであんなことができるなんて、聞いたこともなかった。彼は新しいことに挑戦してるんじゃない。とっくに精通してるんだ。

グレッグ・ハウ

  • これまでマクラフリンばかり聴いてる時期、そしてホールズワースばかり聴いてる時期を過ごしてきた。だが、卒業したってわけじゃない。今でも時々そこに戻っていく。

  • アラン・ホールズワースは一人一ジャンルだ。自分だけのものを持っている。真のアーティストとして大切なことだ。誰も彼にはかなわない。彼と同じことがほんの少しでもできる人すら皆無だからだ。だから大好きなんだ。驚異的だからってのは二の次だ。彼の音楽はどれも、誰も再現できないどころか、真似さえできない。

ジョン・スコフィールド

  • アランはギターの演奏に真の変革をもたらした。レガートの技巧や「音を敷き詰める (sheets of sound)」アプローチは、ジャズギタリストだけでなく、あらゆる世代のメタルギタリストにも影響を与えている。あの技巧を抜きにしても、彼はジャズギタリストの巨匠だ。「How Deep is the Ocean」の彼のバージョンを聴いてみるといい (ジョン・コルトレーンの音楽も「sheets of sound」と呼ばれていた)。

ビル・ブルフォード

  • 1970年代の終わりに、3枚の大成功したアルバムでアランに活躍の場を提供して、驚異的な演奏を皆に知らしめることができたのは、幸運だった。ここイギリスにいても、アメリカのギタリストの間で大騒ぎになっているのが聞こえてきてた。

  • U.K.「In the Dead of Night」での流れるようなギターのソロは、完璧な構成、理知的なテンポ、あざやかな演奏ってことで、至福の3分間だ。彼はその後、それをさらに進化させてきている。さっきの3つの物差しで、アランなのか、それともアランを真似しようとしてる誰かなのか、すぐに判る。彼はリーダーなんだ。

  • アランはジョン・コルトレーンみたいに弾きたかったんだ。だが、サックスじゃなくてギターなので、「sheets of sound」をギターで作り出さないといけなかった。彼が使うスケールや音程は、ことごとく普通じゃない。しかも、にわか仕込みの「グレート」な即興なんかとは別物だ。「Thesaurus of Scales and Melodic Patterns」って教科書を徹底的に勉強してた。そして、音のパターンが尽きたら、今度はアームで震撼させてくれるんだ。


ドラマーってことでは、ジョン・ハイズマンも面白いことを言っている (下の関連の記事)。

ちなみに、ブルフォードの発言に出てくる「Thesaurus of Scales and Melodic Patterns」って、ちょっと調べてみたら、もう著作権も切れてそうな古い本で、丸ごとPDFが転がってる。シェーンベルクからコルトレーン、フレディ・ハバードやザッパまで、これに絶対の信頼を置いてたってふれ込みらしいんだけど、特に後半、何だか恐ろしい楽譜がびしびし出てくる。

→ Thesaurus of Scales and Melodic Patterns - Nicolas.Slonimsky (1947)

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